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何ら新味のない韓国大統領の記者会見

 10月1日の産経新聞に訪日を控えた金大中大統領の記者会見の内容が報道されました。会見で金大統領は、「過去の大統領訪日は十分な成果はあったが、まだ不十分なところもあり両国民の心からの和解、信頼、協力と言う点では不足している。国民レベルのでの友好、親善が行われるとき、真の正常化が成功する」と言っています。

 両国民の間にわだかまりがあると思い、心からの和解、信頼、協力関係を望むのなら、それは一回の首脳の訪問と首脳同士の話し合いで片が付く問題ではないと思います。そういう問題があるのなら、それは時間をかけて解決すべきものです。韓国の大統領が来る度にごり押しし、自分たちの主張、見解への同意を迫るという交渉態度は、言っていること(心からの和解、信頼、協力関係を築く)と全く矛盾するもので、「心からの和解、信頼、協力」関係を築くのにふさわしくありません。

 「これ以上両国の葛藤が続かないようにしたい」と言っていますが、それであれば日本に対する根拠のない謝罪要求を取り下げるべきであると思います。それが一番の早道です。葛藤があるとすれば、それが唯一最大の原因なのですから。それをしないで何が未来志向なのでしょうか。「千五百年にわたる日韓交流の長い歴史が、五十年足らずの不幸な歴史へのこだわりによって左右されてはならない」というのは結構なことですが、こだわっているのが韓国人であるという認識があっての発言でしょうか。

 金大統領が言っていることは今までの韓国の大統領と何の変わりもありません。「真の理解と協力のために、共に二十一世紀の新しい時代を開きたいと心から願っている」などという言葉は、内容空虚で何の意味もありません。産経新聞はこの会見の記事で「未来志向」などの見出しは付けるべきではなかったと思います。会見内容は耳にタコができるほど聞き飽きたことばかりで、何ら目新しいものはありません。それにふさわしい見出しを付けるべきであったと思います。

平成10年10月3日      ご意見ご感想は   こちらへ      トップへ戻る      D目次へ