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皇位は皇室典範の定めにより継承され,天皇の意向に従うものでは無い

憲法第2条 「皇位の世襲と継承」 皇位は世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

 7月18日の読売新聞は、「[検証 皇室典範改正]<上>旧宮家から養子「あり得ぬ」と言う見出しで、次の様に報じていました。(茶色字は記事、黒字は安藤の意見)
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[検証 皇室典範改正]<上>
2026/07/18 05:00  読売

旧宮家から養子「あり得ぬ」
 戦後初の実質的な皇室典範改正は、象徴天皇制の根幹をなす国民の総意に基づいていると言えるのか。3回に分けて検証する。

 国民の理解得られるのでしょうか」。2021年11月頃。天皇陛下は、政府の有識者会議が12月に岸田首相に提出する皇族数を確保する方策案について、宮内庁の西村泰彦長官(当時)から説明を受け、そう漏らされたという。「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する」「戦後皇籍離脱した旧宮家の男系男子を皇室の養子として皇族とする」。この2案の検討を求める内容だった。

 岸田総理国民の直接選挙によって選ばれた国会で、指名・選任された総理であり、天皇は憲法により「国政に関する権能を有しない」とされた存在である。その天皇が岸田総理の具体的な国政に対して、「懸念を表明する」ことは越権(違憲)行為では無いのか。
 更にその視点では無く、“肯定”的な視点で報じる読売新聞の報道は、明確な取材源に基づく確かな事実関係としてでは無く、「そう漏らされたという」と言う極めて不確かな記事である。

 憲法第四条 天皇は,この憲法の定める国事に関する行為のみを行い、国政に関する機能を有しない

 複数の宮内庁関係者によると、「21年からの議論で突如、男系維持の主張に偏った養子案が有力な方策となり、陛下違和感を覚えられた」という。

 例え直接自分とその家族地位にかかわることであっても、「皇位の世襲と継承」に関する問題はすべて「国政」であり、宮内庁の“関係者(幹部公務員と思われる)”に対してであっても、“違和感”を表明するのは憲法に反することは明らかである。読売新聞はなぜその点を指摘すること無く、“前向き”に受け取るのか。

 平成の小泉政権下有識者会議は、永続的な男系維持は困難と判断し、女性・女系天皇を容認した。野田政権は、男系維持と女系容認で世論を二分させずに、結婚した女性皇族を「女性宮家」の当主として皇室に残す方策を検討した。宮内庁の元幹部らは、天皇家は「旧宮家出身者皇族として戻すのはあり得ない」というご意向だと推し量り議論を進めたという。「さらに言えば、女性皇族の持つ可能性を広げる方策は世論の支持も高かった」と強調する。

 「天皇家の意向推し量って国政を推し進める」のは、重大な誤りである。宮内庁がそんな事で良いのか。

 ご意向」は天皇家が模索を重ねながら築いてきた「象徴天皇像」に由来する。上皇さまは10年夏、相談役の参与側近らの前加齢や病気で務めを果たせなくなれば、天皇の地位から退くほかない」と述べ退位の意向を明かされた。周囲が摂政制度の利用を勧めても拒絶された。

 元参与が語る。「上皇さまは、常に国民に寄り添い、相互に理解しあう関係があってこそ、象徴天皇の地位に立てるという信念をお持ちだった。戦後80年近く一般国民だったのに、男系男子の血筋を理由に旧宮家出身者を皇族にする養子制度は、敗戦や大震災の苦難を国民と共に乗り越えてきた天皇家の歩みを否定するものだ」〉

 仮に「国民に寄り添ってきた」のが事実としても、それを「摂政拒否」、「象徴天皇云々」に結びつけるのは無理です。この問題に限らず、皇室・天皇がどうあるべきかを決めるのは、「国民(選挙で選ばれた議員と総理大臣)」であって、天皇でも皇太子でもありません。
 「敗戦」、「大震災」で苦しんだのも多くの日本国民であり、この問題と「摂政拒否」、「象徴天皇云々」に結びつけるのは無理です。
 摂政拒否は「高齢になったら重責から解放されたい」、「息子も高齢になる前に天皇にしてやりたい」と言う思いからでしょう。

 皇室典範が定める摂政の選任を拒んで退位を求めると言う法律(憲法・皇室典範)、に従わない行為が、(国民に寄り添う)行為になると思っているのでしょうか。法律を無視し、摂政選任拒否の無理を通す為に“国民”を持ち出して正当化を図っていますが、皇室(皇族)はいかなる意味でも国民が選出した人達ではありません。国民が選出したのは議員・首相(政府)です。皇族達は政府と国民(野党)・対立する場面だけが報じられるのを見て、“反政府”を演じるべきではありません。

ご意向 くみ取らず
 小泉政権下の有識者会議が「女性・女系天皇」を容認した2005年。ある宮内庁の元幹部によると、天皇陛下は直系継承の安定に資する方策に理解を示した上で「慎重に進めてほしい」と望まれた性別に限らず長子優先の皇位継承が認められれば、長女愛子さまがいずれ即位される。「その未来を見据えたお言葉だ」と元幹部は感じとった。秋篠宮さまも天皇家を支えるお立場で「その方向でよい」と賛同されたという。

 皇室典範(法律)の改正を伴う皇室の変更は国政(政治的問題)であり、たとえ求められても天皇・皇族は意見を述べるべきではありません。また、周囲の官僚マスコミはその事実を隠すべきではありません。

 当時の読売新聞の世論調査では、女性天皇の支持は73%で、母方のみが天皇の血を引く女系天皇の支持も60%に上った。だが翌年、秋篠宮家に長男悠仁さまが誕生され、皇室典範改正の動きは止まった。

 改正作業の元担当者によると、上皇さまは、側室制度なしに男系の維持は困難という、生物学的な見解も理解された。「悠仁さまが結婚後、男児を得られるかわからないのに、改正の議論がなかったことになり、困惑されていると聞いた」

 上皇さまの退位を実現する特例法が17年に成立すると、国会は付帯決議で「安定的な皇位継承」の検討を要請した。だが、政府の有識者会議は「皇族数確保こそ喫緊の課題」として、国会の付帯決議の要請を退けた。先月10日に決定した「立法府の総意」は、陛下が21年当時、懸念を示された養子制度も含む有識者会議の案をほぼ踏襲した。

 立法府の総意が公表された翌日、天皇陛下はオランダ・ベルギー訪問に先立つ記者会見で議論の受け止めを問われ、「国民の理解が得られるものとなることを望みます」と述べられた。即位後5回の会見で同趣旨の質問があっても「制度に関わる」回答を控えられてきた。踏み込んだご発言は懸念の深さの表れ」とみる側近もいる。

 読売新聞の先月の世論調査で、女性皇族が結婚後も皇室に残る案の支持は75%だが、養子案は46%にとどまった。関係者によると「国民の理解を」というご意向は、21年以降、宮内庁を通じて岸田、石破、高市の各首相に伝えられた。だが、政府の改正案は、賛否が割れる養子案で議論していない男系継承も認めたため、「だまし討ちだ」と野党側の反発も招いた。衆参両院の採決は一部の野党が反対に回り、「国民の総意」に沿った法改正とは言い難い。

 「宮内庁は皇室を守る 藩屏 はんぺい として、天皇の意向をただ官邸に伝えるだけではだめだ」。別の元幹部は、養子の制度化を主導した自民党重鎮から、必要ならば天皇を説得すべきだと言われた。だがこの元幹部は、国民の総意を最優先とする天皇家のご意向が、世論と大きく 乖離 かいり していないと信じている。「男系維持に固執する今の政府は、ご意向をくみ取ろうとせず、世論の分断を招く法改正を強行した。信じがたいことだ」

 この問題は「ご意向に左右される」べき問題ではありません。天皇陛下はご意向を述べるべきではありません。読売新聞は日本は法治国家である事を忘れているのでしょうか。信じがたい事です。

憲法は下記の通りです。

  憲法第二条 「皇位の世襲と継承」皇位は世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、 これを継承する。

 この記事では、皇位の継承に関して、上皇様天皇陛下ご意向反映されていないことが、しきりに論じられています。しかし、そもそも皇室典範他の皇位継承のルールは皇室や天皇陛下のご意向に従うことにはなっていません。

 かつて今の上皇陛下は、皇室典範に定めのない生前に退位を希望するに当たり、皇室典範の定める摂政の任命を拒否し、皇室典範の改正を要求して生前退位し、同時に皇太子が皇位を継承しました。このようなことは繰り返されてはなりません。

令和8年7月19日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ