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国会の党首討論が一方通行の討論(野党による与党(行政)批判)だけで、その反対方向の野党への批判が無ければ、民主主義の健全な姿では無い。
11月26日の読売新聞は、【詳報】初の党首討論、高市首相が立民・野田氏に「定数の削減やりましょうよ」…議場がざわつく」と言う見出しで、次の様に報じていました。(茶色字は記事、黒字は安藤の意見)
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【詳報】初の党首討論、高市首相が立民・野田氏に「定数の削減やりましょうよ」…議場がざわつく
2025/11/26 14:50 (2025/11/26 17:46更新) 読売
高市首相(自民党総裁)と野党党首による党首討論が26日午後3時から行われた。高市内閣発足後で初となり、連立から離脱した公明党は13年ぶり、参政党は初めて質問に立った。党首討論の模様を速報する。
高市氏、笑顔で野田氏と会釈
高市氏はストライプジャケットに真珠のネックレス。最初は立憲民主党の野田佳彦代表で「40年以上前から存じ上げている。党首討論で相まみえるとはまさかと思いましたが、天の計らいかもしれない」と語りかけ、日中関係から質問を始める。 【野田代表の党首討論の詳報は こちら 】
野田氏「総理の独断では」
党首討論に臨む高市首相(中央左)と立憲民主党の野田代表(同右)(26日午後、国会で)=米山要撮影
野田代表は、日中関係の悪化について「(国会での答弁は)総理の独断専行だったのではないか。日中関係が悪化してしまったことに、どのような責任を感じているか」と高市首相を問いただした。
高市氏の答弁に与党側から拍手
高市首相は、台湾有事をめぐる自身の答弁について「政府の答弁を繰り返すだけでは、予算委員会を止められてしまう可能性もある。具体的な事例を聞かれたので、誠実にお答えしたつもりだ」と説明した。与党席からは拍手がわいた。
「討論」とは何でしょうか。それは双方が対等に論戦を戦わせるというものであるはずで、一方が他方を問いただし(攻撃)し、他方はそれに対するお答え(防戦)一方で終わるというものでは無いはずです。
しかるにわが国ではこの討論会に限らず、国会における予算委員会の質疑・応答などのほとんどが、野党(攻撃側)による与党・行政(防戦側)に対する一方的攻撃に終始しています。
これは議会におけるいかなる討論に於いても、あってはならない進行で、これでは最善の結論を導くことは出来ません。
これはまるで野球で言えば守備と攻撃のチェンジが無く、一方攻撃で終わるゲームのようです。
これはスポーツに限らず、すべての戦いであり得ない戦い方です。
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野田氏「高市円安が起きている」「あたらない」
立憲民主党の野田佳彦代表は、政府の経済対策などについて「高市円安が起きている」などと指摘。高市首相は「『放漫財政』という指摘は決してあたらない。まずは(経済)成長させなければ、絶対に財政は健全化しない」と述べ、反論した。
討論の最後に高市首相が呼びかけ
高市首相は野田代表に「(議員)定数の削減、やりましょうよ。これは、私の心残りです。削減、賛成してください」と呼びかける。議場がざわつく一幕も。
「議場がざわついた」のは、高市首相の発言が、野党からは「場違い」と受け取られたと言うことでしょう。
国民民主の玉木代表は「年収の壁」
党首討論に臨む国民民主党の玉木代表(26日午後、国会で)=高橋美帆撮影
2番手は国民民主の玉木雄一郎代表。玉木代表は、所得税の非課税枠「年収の壁」の178万円への引き上げなどについて、高市首相に「ともに関所を越えていきましょう」と何度も呼びかける。議場からは拍手が起こる。 【玉木代表の党首討論の詳報は こちら 】
公明党の斉藤代表「非核三原則」を質問
党首討論に臨む公明党の斉藤代表(26日午後、国会で)=高橋美帆撮影
3番手は公明党の斉藤鉄夫代表。公明党は13年ぶりに質問に立ち、「非核三原則」について問いただす。高市首相は「明示的に、非核三原則の見直しを指示したという事実はございません」と述べた。 【斉藤代表との党首討論の詳報は こちら 】
「公明党は13年ぶり」とありますが、公明党の党首は今まで与党の党首の一員として、質問を受ける方の一員ではなかったのでしょうか。それよりも公明党の党首に質問を希望する野党党首はいないと言うことなのでしょうか。 議会運営のルールが不可解です。
与党は野党に対して厳しい対決姿勢で、野党がしていること、主張していることの矛盾や、隠された誤りを叩けば、ホコリはいくらでも出て来ると思います。たくさんのボロが出て、野党の無責任を牽制する効果は期待できます。絶対にそうするべきです。
参政党の神谷代表は「失われた30年」
党首討論に臨む参政党の神谷代表(26日午後、国会で)=高橋美帆撮影
最後に参政党の神谷宗幣代表が質問に立ち、「『失われた30年』で、日本が貧しくなった根本的な原因は何だと思っているか」などと高市首相に問いかけた。高市首相は「バブルや金融システムなどの要因があり、企業がお金を貯め込んだ。設備投資や人的投資に使えなかったのが貧困を招いた」と答えた。 【神谷代表の党首討論の詳報は こちら 】
(以下略)
野党は何をしても、何を言っても与党(他党)の側から厳しい質問(非難)を受けることが無ければ、当然無責任になります。
反対に与党は非難されるだけで、野党を批判することが出来なければ、与党は会議での沈黙(事なかれ・早じまい)を意図することになってしまいます。これでは健全な民主主義を維持することが出来ません。
令和7年11月29日 ご意見・ご感想は こちらへ トップへ戻る 目次へ