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拒否された「男女共同参画社会」、「夫は働き、妻は家庭」20歳代男女で大幅増


 12月16日の読売新聞は、「『夫は働き、妻は家庭』20歳代男女で大幅増」と言う見出しで、次のように報じていました。
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 内閣府は15日、「男女共同参画社会に関する世論調査」結果を発表した。

 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」と考える人が、2009年の前回調査に比べ、10・3ポイント増の51・6%となった。世代別では、20歳代が19・3ポイントの増加で、伸び率が最も高かった。1992年の調査から一貫して賛成派が減り、反対派が増え続けていた傾向が、今回初めて反転した。

 20歳代を男女別で見ると、「妻は家庭を守るべきだ」と考える男性は55・7%(前回比21・4ポイント増)、女性は43・7%(同15・9ポイント増)に上った。宮田加久子明治学院大教授(社会心理学)は、「長引く就職難や景気低迷で、若者たちは先行きに強い不安を抱き、家庭をよりどころにしようとしているのでは。東日本大震災の後、家庭を大事にする意識が強まったことも要因として考えられる」と分析する。
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 「不況で妻は家庭という意識が強まった」という分析には根拠が無く、疑問を感じます。不況で家計が苦しくなれば「妻も働くべきだ」と言う意見が強まると考える方が普通だと思います。

 「妻は家庭を守るべきだ」いう表現そのものが古風で、女性を社会から締め出し、家庭に閉じこめようとするかの印象を与えますが、それでも多数の人が“イエス”と答えたのは、長年推進され続けた「共働き社会」(男女共同参画社会)への明確な拒否の意思表示だと思います。

 
世論調査の結果を直視せず、これを曲解するのであればこのような調査をする意味がありません。設問が適切な表現であれば、共働き社会に対する拒否反応はさらに明確な形で表れたと思います。

平成24年12月16日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ