ネップレコーヒースタンド コーヒーよもやま話 ネップレコーヒースタンドのトップへ戻る
マスター:久宗貴規(マウンテン生駒)
温度と時間の関係

15年前、私は人見知りを治したいとただそれだけの気持ちで喫茶店にアルバイトとして働き始めました。それがいつの間にかケーキや調理にも興味を持ち、そしてコーヒー豆の本質へと移り変わってきました。コーヒー豆一本になってからも9年が経過しました。
アルバイトとして働き始めた時はコーヒーの知識などまったくありませんでした。10代の頃なので大味で濃い食事を好んでいましたから、勿論繊細なコーヒーの味など分かるはずもないし、分かろうともしませんでした。しかし友人達は、コーヒー専門店にバイトしてるという理由だけでコーヒーの味がわかる!?と勘違いしていたのです。喫茶店に入り
コーヒーを飲むと必ずといっていい程「どう?」と聞いてきます。「えっ?」としばらく間があきます。心の中では「分かるかいな!!」と呟きながらも「美味しいんとちゃう?」といったいい加減な返答をしていた様に思います。
そんな私が本格的にコーヒーを勉強する様になったのは、9年前親方の店に訪れたのがきっかけでした。今でもその時の感動が私の脳裏に焼付いています。
2杯目に飲んだコーヒー、それは「アメリカンコーヒー」でした。1杯目のコーヒーも勿論美味しいと感じたのですが、話を聞きながら飲んだせいか深く考える間も無く飲み干してしまいました。その後すすめられたコーヒーが「アメリカン」だった訳です。ただその時一瞬「え!、アメリカン?」と思いました。その当時私は、アメリカンコーヒーという飲み物をバカにしていましたし、「何でアメリカンなん?」とも思いました。そんな半信半疑な私の前に「アメリカン登場!」。
その時親方はこう説明しました。
「甘味、酸味、苦味、この3つが感じるか感じないか位で消えてしまうよ。」
その頃の私は甘味や酸味や苦味といった成分の感じ分けが全く出来ていませんでした。その私が、アメリカンを飲んだ時、親方が言った通り甘味も酸味も苦味も感じ分けながら一瞬で消えて行く味わいを感じる事が出来たのです。初めてでした。感動しました。感動して震えました。ちょっとオーバーかな?・・・。
この感動を受けてから私のテイスティングの日々がスタートしました。そしてアメリカンのみならずコーヒー飲料全てに存在する意味やニーズを含めた製造のプロセスがあり、偏った目で見る事無くそれらに合わせたテイスティングをしなければならないんだと知りました。
ここからは、私なりのテイスティング法についてお話致します。
「味覚に対しては自信がない」と思ってる方も多いはず。私も含めて・・・。
コーヒーに関わらず、あらゆる「食」に対する五感が鋭くなれば世界は広がりますよね!。
このテイスティング法がそのきっかけになれば幸いです。
コーヒーを知る以上に必要な事、それは判別が「つく」、「つかない」に関係なく自分が感じたままを素直に表現する事です。分からなくていいんです!!。理解しようとしてする行為そのものがハードルになってしまいます。理解しようとする行為はもうちょっと後に置いといて、「その時飲んだコーヒーに何を感じたか?」ただその一言二言をメモしていきます。日時、飲んだコーヒーの銘柄、感じた一言、この3つをメモしていって下さい。出来ればブラックで飲む事をおすすめします。そして、もし同じコーヒーを毎日飲んでいる場合は、新しいコーヒーを飲む前に、必ず前日または前回に飲んだコーヒーの感想を読んでから飲み始めて下さい。

こんな感じです。
まずは日々感じた事それだけを書き記していって下さい。
そして徐々に内容の中にコーヒーに関係する味覚の要素を加えていきます。「甘味」「酸味」「苦味」「渋味」「香り」「コク」そして不快な感覚を表す「雑味」。これらの要素が少しでも感じた時、自分なりに強弱を付けて表現してみて下さい。
(例)「少し酸味が感じる」「苦味が強い様に感じる」「後口に渋味が残る」「不快な臭いを感じる」「まろやかで甘味がある」など。
少しずつ書く内容を「味」だけから「作った時の感想」や「体調」など味覚に変化を与えたであろう要因も書き加えていくと分析力の向上に繋がると考えています。
続いては飲み方です。テイスティングする時は、必ず勢いよく、そして音を立てながら「ズズッ!」と、すする様に飲みます。こうする事で、口の中に霧吹きの様な状態でコーヒーが拡散され、味と香りがより一層広がります。この時、上あごから鼻に抜けていく香りと余韻を感じる事が出来できます。是非お試し下さい。
先程出てきた「上あご」についてちょっと!。
私はこの「上あご」が重要なセンサーと考えています。上あごに付いたコーヒーの残り香で余韻、甘味(ふくよかさ)、個性の3つの要素の判断が出来ます。そして「鮮度」のバロメーターとしても活躍するのです。
この続きは次回「味覚(2)」で!!。
あっ!そう言えば10月1日は「コーヒーの日」です。
皆さんコーヒー飲みましょう!。

今回のおすすめコーヒー「ソフト ブレンド」アメリカンコーヒーにおすすめです。
   「アメリカン」は、通常のコーヒーより約1.5倍のお湯を注ぎます。
    出来上がりは1杯分200cc位を目安に。
   「アメリカン」は、通常のコーヒーより約1.5倍のお湯を注ぎます。
    お湯を多くすることで、全体的に軽くスッキリした味わいになります。
     配合豆・・・・ブルボン サントス(ブラジル有機・無農薬豆)
            コロンビア スプレモ(コロンビア)
            ハイチ モンラセル ティピカ(ハイチ)
     ロースト・・・シティーロースト

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