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マスター:久宗貴則(マウンテン生駒)
幻のコーヒー

 最近、世間を騒がせているコーヒー豆があります。それは「ブルボン・ポワントゥ」。
  新聞などメディアで「幻のコーヒー豆復活!」として大きく取上げられたのでご存知の方もいらっしゃると思います。この程ネットなどで限定販売されました。そのコーヒー豆100gがなんと7,350円というプレミアムなお値段にも拘らず、第一回目、第2回目の計200個が販売直後に完売したそうです。いやいやメディアの力は大きなぁ〜とつくづく感じますが、それにしても「すごいなぁ〜」と感心してしまいます。プレミアムな商品だから、それに見合った値段を付ける。そして、それに応えるお客様がいる。私も過去に幻のコーヒーとして「ルアックコーヒー(コピ・ルアック)」なる物を販売した事がございます。このコーヒー豆はインドネシア産で、現地では「皇帝コーヒー」と呼ばれ、希少価値の高いとても摩訶不思議なコーヒー豆なのです。ちなみにこのコーヒー豆、当店では100g、3,000円で販売しました。
  ではここで「ルアックコーヒー」についてご説明しましょう!
  このコーヒーの最大の特徴は、動物の習性を利用し収穫?されたコーヒー豆である事です。この動物とは、名前にもなっている「ルアック」。実は「ジャコウネコ」の事なのです。
ジャコウネコが完熟したコーヒーの実を食べます。そしてもちろん「排泄」されます。この排泄された糞の中にある消化されていないコーヒー豆を収穫する訳です。ある一定の場所で排泄された糞を集めて、川の清流でよ〜〜く洗うと大粒のコーヒー豆が出てきます。そしてヌメリを取り、よく乾燥させて出来上がり!通常コーヒー農園が行う収穫〜発酵させて果肉除去をする一連の作業を「ジャコウネコ」の体の消化や生理作用で行ってしまうという物です。インドネシア以外にもフィリピンやインドにも同じコーヒー豆が存在し、フィリピン産は「カピ・アラミド」と呼ばれ、多品種のコーヒー豆が混ざった天然のブレンドコーヒーになっているそうです。その為か「コピ・ルアック」よりも希少価値が高いようです。肝心の味の方ですが、マンデリン特有の土の様な香りは薄く、甘く芳ばしい香りが広がります。全体的にスッキリと淡白な印象で、滑らかな口当たりにほんの少しネバリが感じるので「マッタリ」としている。やや深めに焙煎をしたので、後口のほろ苦が適度なアクセントになり、とても爽快な味わいに仕上がりました。
  しかしこの間、友人のコーヒー豆屋の店主さんが入手した「ルアックコーヒー」は、先程説明した味とは似ても似つかない商品だったそうです。何とも言えない不快な「獣臭」の様な香り?ではなく「臭い」があり、とても飲める物ではなかったそうです。改めてこの様な珍品にはいろいろ存在するんだなぁ〜と思いました。

 話しを元に戻しましょう。この「ブルボン・ポワントゥ」のプロジェクトはどうもフランス政府と極秘で進められていたようです。今回のプロジェクトの舞台となるブルボン島(現レユニオン島)にある商社が、「ブルボン種の由来の島で良質のブルボン種のコーヒー豆を買付けよう!」と訪れた際、現地では「NO!」、いわゆる「ない」「存在しない」という答えだったそうで、その時すでにこのプロジェクトは進められていたようです。
  何はともあれ、今回の「ブルボン・ポワントゥ」の復活は喜ばしい限りです。生産量をもっと増やして、私たちの様な末端の自家焙煎業者に回して頂けると、より多くのお客様に「幻のコーヒー」を味わって頂く事が出来る訳です。でもそうなると「幻のコーヒー?」
となってしまうのか?・・・。
  私が思う「幻の中の幻」、つまり真の「幻のコーヒー」とは、やはりコーヒーの発祥の地であるアビシニア高原(現エチオピア高原)で今も尚生息している「野生のコーヒーの樹」から収穫されたコーヒー豆です。エチオピア国旗「希少価値」は全くと言っていい程ありません。でも私は初めてこのコーヒーを扱い、そして焙煎をし、そしてカップで頂いた時、タイムスリップした様な感覚でした。1,000年以上もの歳月を恐らく何の手も加えられる事なくそのまま息衝いてきたのかと考えた時、自分がその時代に生きていた人々と時間を共有し、「同じ味」のコーヒーを味わえた喜びを感じました。その味は、決して「素晴らしい」と評価出来るものではありません。欠点も多いし、発酵がかった、いわゆる「不快」と感じる香りもあります。しかし、このコーヒーを一口飲めば「コーヒーの原点」に辿り着いた、えも言えぬ感動があります。
  「幻のコーヒー」というカテゴリーは、心に響くコーヒーでなければなりません。「時間」「プロセス」「味」これらの要素からなる「世界観」を味わい感じることの出来るからこそ価値があるのです。世界にはまだまだ沢山の「幻のコーヒー」と位置付けてもよいコーヒー豆があります。そういった商品を出来るだけ多く紹介していきたいなぁ〜と思っております。

今回のおあすすめコーヒー「レインボードロップ」

 今回ご紹介するコーヒー豆は、オリジナルブレンドコーヒーの「レインボードロップ」です。
  光と水の芸術「虹」。
  日本で用いられる色の数の「7色」と、今回のブレンドコーヒーに使用しているコーヒー豆の「7種類」を掛けまして「虹のしずく」と名付けました。
  ソフトな口当たりと、複雑に絡み合いながらもそれぞれが主張しすぎる事がなく、のど越しまで引張っていく味わいが特徴。適度な苦味を付ける事で、良いアクセントになりコーヒー感を演出してくれます
  豆と水が作り出す「芸術」と言うとオーバーですが、7種類のコーヒー豆が奏でるハーモニーは感じて頂けると思います。
 
  ちなみに、某飲料メーカーの「レインボー〇〇ンテン」をまねた訳ではございません。
このコーヒーの案やネーミングなどは、オープン当初(約7年前)に考えたものです。 皆様も「ぱくった!」と大きな声で言わないようお願い致します。(笑)

配合豆・・・ ブルーマウンテンNO.1(ジャマイカ)<シティーロースト>        
ハイチ モンラセル ティピカ(ハイチ)<シティーロースト>        
ブルボン サントス(ブラジル有機・無農薬)<シティーロースト>        
コロンビア サンチュアリオ ハード<フルシティーロースト>        
リントン マンデリン(インドネシア)<シティーロースト>        
リントン マンデリン ハード(インドネシア)<フルシティー>        
コロンビア スプレモ(コロンビア)<シティーロースト>
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