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マスター:久宗貴規(マウンテン生駒)

「豊か」をかたちに〜ドリップポット〜

月兔印ポット 100年前の1908年、ある女性が「主人に美味しいコーヒーを飲ませたい」その思いから1つの発明をしました。その女性の名は「メリタ・ベンツ夫人」。
  彼女の発明した物、それは今ではコーヒーを点てる方のほとんどが利用していると思われる「ペーパーフィルター式ドリッパー」。当時は布や金属のフィルターを使うのが一般的で、手間がかかり衛生面も良くなかったようです。
  そこから発明に至り、コーヒー総合メーカー「メリタ」の創業者と言う訳です。
  コーヒーは、作り手の気持ちや態度が味に出ると言われています。まぁそう言ってもドリッパーまで作れとは言いませんが、ほんの少しの努力と愛情で味は劇的に変化するのかもしれません。

  最近「コーヒー教室」をご家庭に訪問して行う事があります。「出張コーヒー教室」と言ったところでしょうか、主に小さな子供さんのいるお母さん方を対象に講習させて頂いています。私の行う「コーヒー教室」は、実践(コーヒーを作る)を中心に進めていきます。お一人ずつ「ドリップポット」を使い、「ハンドドリップ」でコーヒーを作って頂き、そのコーヒーを全員でテイスティングして飲み比べをし、作り方を振り返って説明する。例えば、作り方の中で「苦味の原因」と考えられる点があれば、その点を説明します。その他、良かった点や悪かった点など重要と考える点についてもお話します。
  以前にもお話しましたが、「ハンドドリップ」の良さは「コーヒー豆の息づかい」を感じる事が出来るところです。お湯を掛けた瞬間、コーヒー豆が呼吸しているかのように大〜きく膨らみます。その時の感動ときたら!皆さん「お〜!」と驚いてくれます。
  その講習の中で特に多い感想が、「同じコーヒー豆」、「同じ分量」、「同じ水」、「同じ作り方」で、何で味がこんなに変化するのか?と言う点です。「これは酸味が強い」「こっちは苦味」「ちょっと軽いかな?」「美味しい!」2つとして同じ味のコーヒーが出来ない事にとてもビックリされます。「同じコーヒーなのに・・・なんで?」。
  そう感じて頂くことが、この講習の「おもしろさ」なのです。
  蒸らしのお湯の掛け方で、先ほどの「コーヒー豆の膨らみ」が変わります。大きかったり、小さかったり。たったこれだけの事でも様々な「味」の変化をします。なかなか思い通りにはいきません。人それぞれの「癖」や「緊張」、「自信の無さ」なども影響して、同じコーヒー豆が違う味に変化してしまうのです。その変化を体感して頂くと「ベーシック」な作り方を身に付ける事が重要と感じます。どんな時でも安定した「美味しいコーヒー」作りのために。

  そう考えたら仕事も同じかな?日々、環境や状態が違いテンションも高い時、低い時があるわけで、その低い状態でもある程度「ベーシック」をキープする為に普段のモチベーションを高めて仕事をする。その状態が自然になれば、心も体も自然と落ち着いてくるように思います。自分もそうやってきましたし。とにかく「基本」は大事!

と、言いながら「コーヒーの味」は「おふくろの味」でいいのかなぁとも思うわけです。それってどういう事?
「味」には大きく分けて「職人の味」と「おふくろの味」があります。「美味しい!」と感じるある一定の「味」を作り続ける「職人の味」。お母さんの体温による味覚の変化が日々の味の変化を生み、最高に「美味しい!」と感じる日がときどきある「おふくろの味」。
  家庭で作るコーヒーも、もちろん「家庭の味」として日々の変化に富んだ方が、「最高の一杯」に繋がり長く継続して美味しく飲んでいけると考えます。ただ、お父さんが作る場合は、「職人の味」にこだわってしまう傾向があるようです。
  何はともあれ、どちらのタイプも「ハンドドリップ」(手作り)をしてこそ価値が出るもの。機械には出来ない「味」がそこにあります。

 「ハンドドリップ」に欠かせないドリップポット。この器具を「特別な器具」と考える方も多いようです。「コーヒーを点てるだけの器具」といったように。確かにコーヒーを点てるだけの器具なのですが、場合によっては「水差し」にもなります。
この器具の必要性を説明させて頂く時、よく例に出すのは「水を湧かす時、何を使って湧かしますか?」もちろん「やかん」と答えるでしょう。「肉を焼く時、何を使って焼きますか?」もちろん「フライパン」と答えるでしょう。しかし、「水」もフライパンで沸かせます。肉もミルクパンで焼けます。でも、専用器具を用いる事が当然と言わんばかりに、食品に合った器具を選びます。では何故、コーヒーを作る時には専用器具を使おうとしないのでしょう。「やかん」や「電気ポット」を使用される方も多いと思います。もちろんそれらの器具でもコーヒーは作れます。しかし、「美味しく作れるか?」と言うと「?」となってしまいます。「ドリップ」という手間な作業をされる訳ですから、どうせなら一歩前へ進んで「美味しさ」へのこだわりを出して頂けたらなぁ〜と思います。使って頂けたら必ず実感できます。「もっと早くから使えばよかった」と。

 〜お湯を注ぐ瞬間のちょっとしたドキドキ感。
   「美味しくな〜れ」と期待を込めてお呪い。
   はやる気持ちを抑えて「ゆっくり、ゆっくり」
   立ち込める香りに癒しを求めて、一杯の至福の時を楽しむ。
   私の何気ない贅沢。〜

今月のプレゼント

オリジナルブレンドコーヒー 「つじまち スタンダード」

 商品名に付いております「つじまち」とは、当店が位置する地名でございます。
  当店も早いもので開業から7年が経ちました。「店をする」と言う事は、多かれ少なかれ住んでらっしゃる地域住民の方々に何かしらご迷惑をお掛けしていると思います。
  遠方の方も勿論なのですが、近隣の方々の御理解があってこそ店は存在出来るのかなと感じるのです。この名には、その感謝と新たなる気持ちを込めました。そして「まち」という響きの「色気」とひらがなの「上品」さで、視覚的にも「つじまち」という言葉に品のある「まとまり感」を感じたので、この名前を付けました。
 
  この商品は、お客様のお声を基に出来上がったコーヒーです。
  「香りがあって」「甘味があって」「コクがあって」「酸味が少なく」「適度な苦味」「それでいて柔らかい」。これらは、当店でお客様がコーヒー豆を選ぶ際に最もよく聞く6か条です。出来るだけこの6か条に近づけようと考えたブレンドコーヒーなのです。
  「スタンダード」とつくので、味の濃さは標準的にまとめ、ブラックでもミルク砂糖入りでも違和感なく受け入れやすい味わいに仕上げております。
 
  この味わいが、新たなる「スタンダードコーヒー」として、皆様に癒しと安らぎを与える事が出来れば幸いです。

今回ご紹介しましたコーヒー豆「つじまち スタンダード」を抽選で3名様にプレゼントいたします。
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