コーヒー農家の危機 〜明日は我が身?〜
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先月、ある一本の映画を見てきました。 舞台はコーヒー生産地で発祥の地でもあるエチオピア。 そのエチオピアで貧困に喘ぐコーヒー農家とその方達を支援する農協職員のドキュメンタリー映画でした。
近年起こっているコーヒー農園を取り巻く環境の変化、つまりコーヒー豆相場の下落と大手コーヒーチェーンの買い叩きの現状。これにより農村の人々の安定した生活が出来なくなり、子供達の教育はおろか飢えや病に苦しんでいる現実、それがこの映画のテーマとなっていました。
この問題はアフリカだけでなく世界中のコーヒー農園の問題として数年前から大きく取り上げられるようになってきました。その問題の解決策の1つとして、「フェアトレード」と言う売買のシステムがあります。
最近よく見聞きしませんか?

コーヒーは、ニューヨークとロンドンで先物相場が決まり、その相場を基準に売買が行なわれます。しかしその相場の変動を左右するのは、ブラジルの出来高。世界のコーヒー豆の3分の1を生産するコーヒー大国です。
そこに出てくる歪み。ブラジルが豊作であれば相場は下がり、不作と予想されれば相場は上がる。6、7年前には供給過剰に陥り、過去最低の値で取引されていました。
遥か遠くのコーヒー大国の影響に振り回されるアフリカのコーヒー農園の人達は、生活のためコーヒー農園をやめました。タンザニアでは安価なコーヒー豆よりも主食のトウモロコシに。この映画の舞台となったエチオピアでは高値で売れる麻薬に。ただ、生活の安定のため、子供達の未来のため、思想、理念は同じでも、それを「分ち合う」ところにまでは至らないのが現実。麻薬に関しても「撲滅」を謳っている一方で、生活のために栽培する。悲しいかな、この歪んだ連鎖は止められないのかも・・・。

「何か出来る事はないか?」
これを形にした1つの方法が「フェアトレード」。安定した価格(相場に左右されない)での取引を目的とした貿易システムです。コーヒー豆以外にも多種にわたり取引されているようです。詳しくはwebで。
貧困に喘ぐ農村または地域の人々に「自分たちの力」で生活の安定を掴んで頂く事を重要としているようで、安定がもたらす商品の品質向上も狙いの1つのようです。がしかし、中には「安定」に胡坐をかいてしまう事もあるような。
ちょっと「割高感」のある商品が多いように感じるところもありますが、その辺は消費者の方のお気持ちと皆で支え合い「分ち合う」心の値段という事でご了承頂き、ご自身の目で納得したその時!!・・・商品との出会いに満足して頂けると思います。

原油の高騰やサブプライムやらと世界経済が混迷に陥っている今、高値または安定した価格(政府による安定した買い上げなど)で取引されるトウモロコシやサトウキビ(燃料用)に変更してしまう農家が増えたようで、用途を変更された作物の穴はとても大きく、企業の存亡にも大きな影響を与えています。そこで起こる「買い叩き」や更なる貧困の連鎖を出来るだけ早く解決する事を願うばかりです。
コーヒー豆に依存した国が多い今の社会がそんなに簡単に崩れてしまうとは思いませんが、 更なる文化の構築による安定こそが需給のバランスを保つ唯一の方法なのかなとも思うのです。近年ブラジルが発表したコーヒー豆倍増宣言もそういった更なる安定のきっかけになってくればと思います。
最近の私達の生活はコーヒー農家の貧困同様、他国の事情や投機に左右されながら大きな影響を及ぼされていくことを身をもって体験している様な感じがします。国内の現状も含めてこの状況を受け入れるには、全く関心を持たず「自分の今」だけを考えるか、知恵を絞って生活レベルの維持または向上、それが無理なら身の丈に合った生活の見直しが必要だなぁと改めて感じます。
いつの間にか自分自身に降り掛かっている現実はなかなか理解し難い事です。しかし「人の所為」にするという安易な結論よりも今までの自分にない行動を1つだけでも行う事で、新しい何かを何となく感じる、それが全ての始まりだったりするかもしれません。 と、いつも思いながら企画を考えているのでした。

今月のおすすめコーヒー エチオピア イルガチャフェ
今回ご紹介するコーヒー豆は、エチオピア・イルガチャフェ産、有機・無農薬コーヒーです。 エチオピアはコーヒーの発祥の地であり、コーヒーにまつわる数々の伝説が残っている国です。そのひとつが、カルディの伝説です。 ある日カルディは、放し飼いしていた山羊達が興奮して飛び跳ねている光景を目にします。その原因がどうも丘の中腹に自生している木の実ではないかと推察したところ、まさに山羊達がその実を食べて興奮しているではありませんか!! 「これはおかしい!!」 と思い、近くの修道僧に相談することにしました。その話に乗ってきた僧侶が 「それではその実を食べてみましょう」 と言い、自分達も食べてみることにしました。 ほんのり甘い赤い実を1つ食べ、2つ食べ、そうこうしているうちに何だか体が軽くなったような感覚になっていくのです。 「なんてこった!!」と言ったかどうかは分りませんが、心身ともに爽快な気分になったカルディ達は相当気分のよい状態だったことでしょう。 その後僧侶達は院に持ち帰り、この赤い実を夜通し行う宗教行事の際に食し、睡魔との闘いに役立てたそうです。 一部、私なりの解釈と想像が入っておりますが、話しの大筋は間違いございません。 そんな歴史のあるエチオピアの中ではかなり新しく開拓された土地の「イルガチャフェ」ですが、コーヒー豆の栽培にはとても適した地質と環境を備えています。昔ながらの栽培方法で農薬を一切使わずに栽培し、「フェアトレード」による安定を手に入れた彼らは、とても丁寧にコーヒー栽培を行っているそうです。 甘い果実の爽やかな香りと芳醇で個性的な酵母のような香りとが溶け合って、まったりとしたフルーティーな味わいを作り出しています。

マウンテン生駒マスターお薦めのコーヒー豆「エチオピア・イルガッチャフェ」を3名様に。
豆のままをご希望の方はお書き添えください。
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