やっと、秋

長かった夏も10月の声を聞くと、さすがに終わりを告げようとしています。といいながらもまた、夏日が来るのではと不安です。
  庭に注ぐ日射しも柔らかくなり、庭の生き物たちも徐々に秋の気配を深めています。
庭に出てじっくり眺めてみるといろんなものが目を楽しませてくれます。
ススキの葉先で小休止のアキアカネ、シマススキの株元にはナンバンギセルを見つけました。「道の辺の尾花がもとの思い草 今さらになど ものか思はむ」と万葉集に歌われた思い草というのがナンバンギセルだとされています。尾花はご存じのようにススキのことですが、このススキに寄生しているナンバンギセルに我が身をなぞらえてうたった歌のようです。
アップで見るとうつむいた花が可愛らしく見えます。一年草なので種でも取って来年も楽しめるよう播こうかと考えています。
  和の世界を楽しむ一方、オランダから球根で仕入れたシクラメンの原種が今年も花をつけました。ピンクの可憐な花は大型のシクラメンとは異なった魅力があります。
もう、20年来、我が家の庭で花を咲かせ続けています。冬に店頭に出回る大型花のシクラメンとは異なり寒さに強く、戸外での栽培が可能です。学名をシクラメン・ヘデリフォリウムといい秋咲き種です。他に冬咲き種のシクラメン・コウムなどもあります。
ヘデリフォリウムは花がまず咲き始め、その後葉っぱが出てきます。その葉の模様、葉色などが多様なため葉の変異を楽しむファンがイギリスなどでは多いと言われています。
戸外に植え付ける際には水はけの良いロックガーデンなどに植え付けるのが良いでしょう。
日本の夏は過湿でその上に暑いため球根が腐ってしまいます。夏に球根が乾燥状態になる場所での栽培が可能です。花後に茎がくるくるとゼンマイ状に株元に丸まっていき、乾燥して種を散らせます。シクラメンの語源はこのサイクル=輪状の茎の形から来たものです。
こぼれ種から自然に発芽して増えていきます。我が家でも20年と言っても当初の球根が20年大きく育っているものはなく世代交代を繰り返しています。ある程度大きくなった球根はどうしても腐りやすいようで夏を越した時に跡形もないことがあります。でも、大丈夫その近くにはこぼれ種から大きくなった球根がちゃんと育っています。
イギリス、キューガーデンのシクラメンとは言わないまでも、庭に植えてみてはいかがでしょう?

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