花と緑の随想記 vol.15
この季節の庭は夏の名残の花を残しながらも秋の気配が深まっていきます。
植物を照らす日射しも夏のそれとは違って柔らかい気がします。ダリア、サルビアなどに加えてハギ、洋種フジバカマ、ミセバヤなどが花を咲かせる一方、夏に咲いた花は種や実をつけています。もうすぐ本格的な収穫の時季を迎えます。あるものは来年のために採種され、あるものは人間の食欲を満たします。
我が家のスダチはもう収穫を終えました。
薬味として使い切れなかったものは絞ってビンに入れ少量のお酢を加えて冷蔵庫で保存します。
今年初めて植えた茶色と緑色の綿もコットンボールをつけてもうすぐはじけそうです。クリスマスのリースづくりに活躍してくれるのを期待しています。
野山ではもうすぐ野バラの実が色付くでしょう、楽しみがいっぱいの季節です。
全ての植物は種をつけ、地上に落ち、土中で来年までじっと待っているでしょう。
こぼれ種で発芽するのが難しい一年草は種を採っておきましょう。
種と言えば一昨年金沢21世紀美術館の日比野克彦氏のアサガオプロジェクトでもらった種が昨年花をつけ、そのままにしてうち捨ててありました。
そのプランターをことしの8月に外に出して雨に当たるままにしていました。すると、みるみるうちにアサガオが芽を出し、いま季節はずれの花を咲かせ始めました。
恐るべし、種の力。




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