
頭部のモデル図
三葉虫の頭部は、中軸から連続する中央でもりあがった部分−頭鞍(glabella)−と、その左右と前を取り囲む頬(cheek)からなっています。(この両者を仕切る溝が、軸溝(axial
furrow)です。)
頬はしばしば顔線(facial suture)と呼ばれる溝によって固定頬(fixed cheek、頭鞍側の頬。この部分と頭鞍をあわせて頭蓋(cranidium)と呼ぶ。)と自在頬(free
cheek)に分けられています。この線は三葉虫が脱皮するときの頭部の分かれ目であったらしく、化石化した脱皮殻ではこの部分が分離していることが多いです。なお、かっては三葉虫の分類にこの顔線の特徴(下記)が用いられていました。(現在でも、分類の鍵のひとつとしてもちいられています。)
1.前頬型(proparian)顔線の後端が頬棘より前方(頭側)を通過するタイプ。

2.後頬型(opisthoparian)顔線の後端が頬棘より後方(尾板側)を通過するタイプ。

3.gonatoparian:顔線の後端が頬棘を通過するタイプ。

4.metaparian:顔線の前端、終端とも頬棘の後方(尾板側)を通過するタイプ。

5.下頬型(hypoparian)顔線が背甲にないタイプ。
顔線のかわりに縁線(marginal suture)があることが多い。