ホルムアルデヒドのオゾン分解
I002
ご質問
ホルムアルデヒドに関心があります。各種HPで調べてみますと、ホルムアルデヒドへの対策としては、
1. 短時間の換気を頻繁に行う。
2. フィルター式空気清浄器のフィルターに吸着させる。
3. 観葉植物に吸収させる。
4. 培土に特殊な加工をした観葉植物によって分解させる。
5. 酸化チタンに光を当てた際に出る自由電子によって発生する活性酸素によって分解させる。(商品化した 人工観葉植物もある)
など、色々あるようで、どうやらホルムアルデヒドはダイオキシンに比べるとはるかに分解しやすく、対策しやすい物質のようだという感触を持っています。
普通のイオン式空気清浄器を使用した際に発生するオゾンによって、ホルムアルデヒドが分解されるかどうか教えて下さい。
回答
以下の文献の実験結果から考察してみましたのでご参考下さい。
出典:京染と精錬染色、山城卓巳Vol, 47-3, P73, 1996
タイトル:環境保全対策技術に関する研究 第三報「オゾンやその技術を利用した残留ホルマリン除去に関する研究」
目的の反応式は以下の酸化反応
3HCHO+2O3 → 3H2O + 3CO2
<結果と考察の抜粋>
オゾン発生器の発生条件5リットル/分・100V時のオゾンガスによる乾燥曝露と水分付与しつつ曝露した場合の、ホルマリン残留率と時間の関係から、乾燥曝露の場合、20時間経過しても遊離ホルマリン量の低下が見られず、酸化反応にオゾンガスが関与できないものと見られる。また、水分付与した場合、2時間程度から遊離ホルマリンの減少が始まり20時間で約34%まで低下する。
オゾン発生器の発生条件1リットル/分・100Vではホルマリン除去効果が低下した。つまり、単位時間当たりのオゾン発生量が多いほど除去効果が高く、水分が必要である。
<私の見解>
上記文献の実験結果から、水分が存在すると、オゾンを用いてホルマリンを除去できる可能性は否定できないが、イオン式空気清浄器から1リットル/分以上ものオゾンが発生しているとは考えにくいと思います。そうなれば逆に、そこから発生するオゾンが人間の健康に影響を与える可能性があります。ですから現実的には市販されているイオン式空気清浄器を用いてホルマリンを分解することは困難かと思われます。