シックハウスの捉え方について
I004
ご質問
シックハウスは、化学物質による汚染だけを捉えて、そう呼んでいるのでしょうか。それとも、もっと広い範囲で、結露によるカビ、ダニの発生、電磁波など、住環境に悪影響を及ぼすもの、すべてを含んでそう呼んでいるのでしょうか。
回答
閉鎖された人工環境が生み出す現代病を一括して「シックビルディング・シンドローム」と呼んでいます。もとはビルなどのエアコンの冷却塔で繁殖する、レジオネラ菌によるレジオネラ症が社会的にクローズアップされた、1970年代後半から呼ばれています。これは、人口空調設備のビルに入居した人々に、頭痛、目や鼻の刺激症状、体調不全が発生したことから問題として取り上げられています。
しかしビルだけでなく一般住宅室内でも同様の現象が心配され、数年前より「シックハウス・シンドローム」と呼ばれるようになっています。
国連の専門家委員会は、1996年に「建材と健康」を作成し、室内空気質(Indoor Air Quality: IAQ)に影響し、健康に影響を及ぼす可能性のある因子のリストとして、下記を挙げています。
1) 化学的因子
二酸化炭素、一酸化炭素、窒素酸化物、二硫化硫黄、オゾン、
塩素、鉱物繊維、鉛粉塵、粒子状物質(ばい煙、たばこの煙)、
揮発性有機化合物(ホルムアルデヒド、有機溶剤、殺虫剤など)
2) 生物的因子
細菌(カビ、ウィルス、菌類、バクテリア)、原生動物(寄生虫)
植物花粉、ダニ、虫、ラットやマウス、ペット(皮膚片、毛)
3) 物理的因子
高熱、ストレス、湿度(粘膜乾燥)、光、音(騒音)、電磁波
電離放射線(ラドン)