化学物質過敏症とアレルギー症の違いについて
I007
ご質問
化学物質過敏症とアレルギー症との違いについて教えて下さい。
回答
化学物質過敏症とアレルギー症とは、同じ点と異なる点があります。なかなか理解し難いと思いますが、以下の説明をご参考下さい。これは、化学物質過敏症の研究では国内で権威のある北里大学医学部の石川教授と宮田教授らの見解や研究をもとに、日本化学工業協会(日化協)の研究グループが、1997年2月にまとめた報告書から抜粋したものです。
化学物質過敏症について、北里大学医学部の石川教授、宮田教授らは、以下のように定義しています。「特定の化学物質に接触し続けていると、後にわずかなその化学物質に接触するだけで、頭痛などの症状が発症する状態が化学物質過敏症。」
またその原因としては、「過去に多量の化学物質に曝露されたことで、体の耐性限界を越えてしまったこと。ただ原因となる物質は、特定の物質ではなく、全ての化学物質が原因となる可能性を有している。」としています。
さらに、化学物質過敏症を発症した人が、その後異なる多種類の化学物質によっても発症することを「多発性化学物質過敏症」といいます。
化学物質過敏症とアレルギー症について
同じ点(中毒とは異なる点)
「化学物質過敏症の症状」
発汗異常、手足の冷えなどの自律神経系症状
不眠、不安、うつ状態などの精神症状
運動障害、知覚異常などの末梢神経系症状
のどの痛み、乾きなどの気道系症状
下痢、便秘、悪心などの消化器系症状
結膜の刺激症状などの眼科系症状
心悸亢進などの循環器系症状
皮膚炎、喘息、自己免疫疾患などの免疫系症状
少しわかりにくいと思われますが、化学物質過敏症は解釈について様々な議論があり、未解明な部分が多いのが現状です。