室内ホルムアルデヒド濃度に関する瑕疵義務


I011

 

ご質問

  

1)瑕疵義務について

最近住宅メーカーの中で、引き渡し時に室内ホルムアルデヒド濃度を測定し、0.08ppm以下であることを確認してから引き渡しを行う住宅が販売されています。

 

引き渡し時に0.08ppmをクリヤーしていても、夏場になってその値がオーバーした場合、瑕疵義務については遡及されるのでしょうか?

 

2)厚生省の室内ホルムアルデヒド濃度の指針値0.1mg/立方メートルの23度への換算値である0.08ppmはあくまでも目安であって、法的には遵守する義務はないのでしょうか?

回答 

  

1)瑕疵義務について

引き渡し時に0.08ppmをクリヤーしていても、夏場になりその値がオーバーした場合、瑕疵義務が遡及されるかどうかですが、これは非常に難しいと思われます。引き渡し後は居住者の持ち込み(家財など)による増分の影響がありますので、持ち込み物からの放散量と住宅メーカーの建物自体の放散量との区別ができるかどうかが問題です。家財などを全て外に出して測定すればできるでしょうが、それは大変なことです。日数も3日はかかると思われます。

 

またホルムアルデヒドの壁からの放散は、床からの放散物が壁の表面材に一旦吸着し、それが壁から放散しているといった問題が壁にあることが最近わかっています。それだけ床からの放散量が多いからです。つまり、家財から多量のホルムアルデヒドが出ていれば、それが内装材表面に吸着し、家財を外に出して測定しても、本来の住宅メーカーの建物自体からの放散量を評価していないことになります。

 

私の推測ですが、夏場になって指針値を越えた場合に瑕疵義務を遡及することは、非常に困難だと思われます。

 

2)厚生省の室内ホルムアルデヒド濃度指針値

厚生省の指針値はあくまで指針値で、法的に遵守する義務はありません。あくまで1つの目安として提示されているものです。


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