オゾンの影響について
I022
ご質問
レーザープリンターからオゾンが出ているというのですが、オゾンというのは体にどんな影響を与えるのでしょうか。
回答
オゾンは強い酸化作用を有する気体で、濃度によっては生体に対して有害性を示す化学物質です。大気汚染の1つである光化学スモッグは、自動車や工場などから排出される燃焼ガスに含まれる炭化水素や窒素酸化物(NOx)が、太陽光の紫外線による光化学反応で生成された光化学オキシダントによるものです。この光オキシダントの70-90%がオゾンです。オゾンの強い酸化作用は、濃度によっては眼、粘膜、上部気道を刺激し、ヒトの呼吸器機能に影響を及ぼします。
オゾン曝露濃度と生体作用は、次のようになっています。
0.01-0.02ppm |
多少の臭気を覚える |
0.1ppm |
明らかな臭気があり、鼻や喉に刺激を感じる |
0.2-0.5ppm |
3-6時間曝露すると視覚が低下する |
0.5ppm |
明らかに上部気道に刺激を感じる |
1.0-2.0ppm |
2時間曝露で頭痛、胸部痛などが起こり、曝露を繰り返せば慢性中毒になる |
5.0-10ppm |
脈拍増加、体痛、麻酔症状が現れ、曝露が続けば肺水腫になる |
また、日本の環境基準値は一般環境中で光オキシダントとして0.06ppm(1時間平均値)、作業環境中ではオゾンとして0.1ppmです。1988年にオゾンを発生するコピー機や空気清浄機などを使用した場合の室内オゾン濃度の測定例が報告されていますが、1時間平均値の最高値が0.146ppmという値が報告されています。ただし大半が0.02ppm以下でした。
ただ、レーザープリンターからでるオゾンによってどれほどの濃度になるかわかりません。また、最近はオゾン発生量がかなり抑えられた(実質上ゼロと説明している)コピー機やレーザープリンターが発売されています。