室内化学物質汚染の対処方法


I027

ご質問

現在、新築の分譲マンションを購入しようと契約を済ませたばかりです。9ヶ月の赤ちゃんを抱え、シックハウスが心配です。インターネット等で調べると、対処方法として

1)ベイクド法(部屋を暖めて換気を繰り返す)。
2)
薬品を散布して中和する。

などが有るようですが、一般的にお勧めの対処法はどちらでしょうか? またそれ以外でベターな対処法があれば教えてください。

 

回答

対処方法ですが、

1)ベイクド法(部屋を暖めて換気を繰り返す)。
2)薬品を散布して中和する。
 

上記いずれの方法も大きな効果は得られません。ベイクド法(一般にはベイクアウト法と呼びます)は、40度くらいまでしか加温することができないのですが、その効果には否定的な研究報告が多数を占めます。100度以上まで加温できれば効果は得られるでしょうが、現実にそのような条件は無理です。逆に建材への影響が懸念されます。 

また、薬品を散布して中和する。については大変驚きました。どこがこのような危険な方法を掲載しているのでしょうか。このような方法は、学会でも報告を見たことがありません。室内汚染化学物質は多種類あります。それらを安全に中和する方法などございません。どのような薬品を用いて行うと掲載されているのかわかりませんが、決して行わないようにして下さい。 

対処方法についてですが、次のようにお考え下さい。 

まず、閉めきった部屋(日中5時間程度)の中に入った後、しばらく経った時に、ご自分やご家族が次のような症状を感じるかどうかです。 

1)目・鼻・喉に対して何らかの刺激を感じる
2)頭痛や吐き気がして気分がすぐれない 

もしこれらの症状を感じないのであれば、あまり心配されなくても良いと思います。ただ、夏場になって気温が上がるとこれらの症状がでることもありますので、夏場まで注意は必要です。 

もしこれらの症状を感じられるのであれば、購入先に相談し、部屋のホルムアルデヒド濃度やVOC(揮発性有機化合物)濃度の測定、原因と思われる建材(例えばフローリング材、壁紙、建具、ドア)を化学物質の放散が少ない材料に交換するといったことを依頼して下さい。 

購入先が対応してくれない時は、自分で測定してデータを示して購入先を説得する。あるいは強い臭いを感じる建材がどれかを自分で特定して改装する。といった方法があります。測定する場合は、ホルムアルデヒドだけですが、次の機関で機器のレンタルを行っています。 

ホルムアルデヒド簡易測定器のレンタルを行っている機関一覧表
http://www2.odn.ne.jp/opis/html/rental.htm
 

自分で建材を特定して改装しなければならないところまできた場合は、もう少し状況をお伺いしてからになりますので、改めてご相談下さい。


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