石油ストーブと石油ファンヒーター


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ご質問

最近、アトピーが顔のほうに出てくるようになりました。今までは冬にアトピーが出ることや顔に出ることはなかったので、どうしたものかと考えています。

今年は家を変わったりしています。また、症状が出てきた時期と石油ストーブを使い始めた時期が近いのです。 

石油ストーブは有害物質が出ているという話を聞きました。どのような物質なのでしょうか? また、ストーブと、ファンヒーターでは違うのでしょうか? 

 

回答 

一般には石油ストーブからは、一酸化炭素、二酸化炭素、二酸化窒素などが排出されます。換気率が低いと、わずか数時間で国内の環境基準値の数倍に達する場合もあるとの報告があります。 

昨今の住宅は、省エネの観点から気密性高まり換気率が低下しているため、石油ストーブや石油ファンヒーターを使用するときには十分な換気が必要です。そのため、換気と暖房とのバランスが十分にとれるかどうか、心配される研究者もおられます。 

1982年にアメリカ消費者連盟は、喘息や気管支アレルギーを持つ人は、石油ストーブを使用しないようにとの勧告を行いました。 

石油ストーブと石油ファンヒーターでは、発生量の違いは機種によって異なるでしょうが、基本的には同様の化学物質が発生します。ですから石油ファンヒーターに変えたからといって、大丈夫だとは必ずしも言えません。昨今の住宅は、気密性が高まっていることを考えねばなりません。 

アトピーとの直接的な関係は何とも言えませんが、症状がでてきた時期との関係があると感じられるのであれば、石油ストーブや石油ファンヒーターの使用を中止した場合の症状の変化を観察されてはいかがでしょう。 

私は、以前は石油ファンヒーターを使用していたのですが、石油ファンヒーターからの臭いや排出物の影響を可能な限り避けるため、電気式オイルヒーターを使用しています。新品時には多少臭気が発生します(おそらく塗装)が、それが落ち着くと、石油ストーブのような開放燃焼型暖房器具の心配はなくなります。化学物質過敏症を訴える方でも、オイルヒーターを使用している人は、けっこうおられます。 


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