酸化防止剤 BHTについて


C003

ご質問

「ポリプロピレンには,添加剤として、酸化防止剤のBHTが入っていてその溶出が問題になり・・・」という記事を読んだのですが,「今は,BHTが使われていない」のですか?

 

回答

ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)は、安価な酸化防止剤として、接着剤、ゴム、繊維加工剤、包装材料などに使われているフェノール系酸化防止剤です。これは樹脂の酸化による黄変などの化学変化を防止するための添加剤です。

また、食品の腐敗、変敗、化学変化を防ぐ酸化防止剤として、魚介冷凍品、チューインガム、魚介乾燥品、バター・マーガリン、食用油脂、また各化粧品にも使われていました。環境ホルモンのような作用はないと考えられていますが、皮膚炎、過敏症を生じ、発がん性の疑い、変異原性(遺伝子に異常を起こさせる毒性で、発癌性と密接な関係があります。)、体重低下、脱毛などが報告されている、毒性の強い添加物です。ですからアレルギー体質の方や、癌家系や癌病歴のある人はなるべく避けてほしい物質と言われています。 

発癌性の疑いなどから、現在では食品に添加されることはほとんどなくなりましたが、化粧品やボディーシャンプーには一部使われている商品があるようです。 

ポリプロピレンのBHTですが、ポリプロピレンの酸化防止剤として、数年前までは、多くのポリプロピレン原料で使われていました。BHTは安価で酸化防止効果も高いのですが、溶出等の問題をおこします。そのため、ここ数年でほとんど使われなくなったようです。


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