ペットボトルの組成について


 

C008

 

ご質問

 

ペットボトルの組成について,塩ビなどに使用される可塑剤等の添加物はいっさい使用されていないと思っていましたが,アンチモンとゲルマニウムという物質が添加されているという話を聞きました。全てのペットボトルに使用されているのではなく,常温で内容物に溶出することはないらしいのですが,実情は公表されていませんのでわかりません。どういう目的でこれらの物質を添加しているのか,また万一内容物に微量でも溶出した場合,人体にとって無害であるのか教えていただけませんか。

 

回答

 

ペットボトルの主原料であるPET(ポリエチレンテレフタレート)は、テレフタル酸とエチレングリコールという2種類の化学物質を化学反応でつなげ、長い分子(高分子)にします。この高分子化する反応を重合反応と呼びます。この重合反応により、ポリエチレンテレフタレートが生成されます。

 

これらの化学物質は、 重合反応を開始するための触媒として用いられています。つまり必須成分です。

 

万一微量で溶出した場合、人体にとって無害かどうかの議論は非常に難しいですね。許容濃度に対し、どれくらいの量が人体に取り込まれるかによって作用が異なります。ペットボトルに使用されるPET樹脂は、器具や容器包装に対して、厚生省が1980年に告示した規格があります。それによると、アンチモンは0.05ppm、ゲルマニウムは、0.1ppmです。ですから溶出物があったとしても、通常は、規格範囲外の製品は出荷されませんので、特に心配する必要はないと思います。しかし環境ホルモン問題にもあるように、毒性に関する研究は、さらに進める必要があります。リユースが広がりつつあるPETボトルですので、今後ますます必要な研究かもしれません。

 

アンチモンに関する安全性の情報は、医薬品食品衛生研究所 化学物質情報部の次のアドレスにある50音別から、アンチモンへアクセスしてご参照下さい。

http://www.nihs.go.jp/ICSC/ (化学物質安全性カード)

 


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