ビニール袋と紙袋


C012

ご質問

日本はスーパーもパン屋も必ずといっていいほどビニール袋で包装するのですが、そんなにビニール袋を使わなくてもいいのに、といつも考えさせられてしまいます。実際のところ、どちらが資源の無駄使いにならないのでしょう。 

回答

現在の日本の家庭ごみを分析すると、家庭ごみ全体のうち、紙が容積比率で約40%、プラスチックが同約38%を占めています。また、紙のごみのうち、容器包装材が約49%、プラスチックのごみのうち、容器包装材が約98%を占めています。つまり、いずれにせよ家庭ごみの多くを容器包装材が占めています。 

プラスチックと紙の袋を比較することは難しいことです。どちらが資源の無駄使いになるかを考える場合、原料としての資源(紙の場合は森林破壊、プラスチックの場合は石油資源の枯渇)、リサイクルしたときに何回リサイクルできるか、リサイクルしても使い途があるかどうか、その時にどれくらいに費用がかかるかなどを、計算しなければなりません。

ただ、プラスチックのリサイクルはまだまだ技術課題が多く、リサイクル技術が十分に確立されていません。ですからリサイクルしても使い途が限られるため、廃棄している場合が多いのです。紙は、新聞・雑誌・ダンボールなどを分別回収し、再生紙として再利用しています。リサイクルの点から考えると、紙の方が有利かと思われます。 

ただ、スーパーでビニール袋のかわりに紙袋を使用したとしても、使用した紙袋を廃棄するのであれば、良い方向ではありませんね。プラスチックの代わりに紙のごみが増えます。

生協ではほとんどがそうだと思いますが、最近スーパーではお客さんが要求しなければ、ビニール袋を支給してもらえないところが増えています。私の近所の生協では、1枚5円でビニール袋を販売しています。通常お客さんは、買い物袋を持参(生協でも販売しています)して買い物をします。買い物袋を持参しない場合、生協がお客さん用に保管しているダンボールに入れて持ち帰ります。ダンボールは生協が野菜や果物などを購入した時に使われるものですから、お客さん用に有効利用していることになります。そしてそのダンボールを分別回収して再生すれば、リサイクルできますね。

このように、少しでも包装用の紙やプラスチックを使用しない方法を考えることが、これからは大切だと思います。たくさんの人たちが理解と協力しあいながらごみの量を減らすことが、今最も必要とされていることです。


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