スミチオンの安全性


C013

ご質問

保育園の調理場の害虫駆除を業者に頼みました。使う薬剤を聞いたところ、スミチオンというものでした。スミチオンの安全性について教えてください。

回答

スミチオンは、MEP(フェニトロチオン)と呼ばれる有機リン系殺虫剤です。ウンカ、カメムシ、アオムシ、アブラムシ、ハエ、蚊、ダニなどの駆除剤として広く使われおり、殺虫剤の中では最も生産量が多いと報告されています。ただ毒性が高いので、使用を誤れば様々な中毒症状を生じます。ダニ退治のために家屋内に散布して重い中毒にかかった例や、水田に空中散布した際に、散布地周辺の住民に中毒症状が発生した例が報告されています。

保育園の調理場で害虫駆除として使用されるとのことですが、スミチオンが駆除を対象とする害虫は、上述の通りです。ハエ、蚊、ゴキブリなどは、衛生昆虫と呼ばれ、伝染病などの感染症を伝播するおそれがあります。そのため保育園の調理場で害虫駆除をされるのではないかと思われます。

スミチオンなどの害虫駆除剤を使用するのであれば、散布した場所のうち、食品や食器が接する可能性のあるところは念入りに洗浄しなければなりません。できれば可能な限り薬剤を散布せず、清掃をこまめに心がけることによって、害虫駆除ができないかということを考えていかねばならないと思われますがいかがでしょう。

フェニトロチオンの安全性に関しては、国際化学物質安全性カード(ICSC)にも記載されています。ICSCには青少年や小児への曝露は避けるよう記載されています。厚生省の研究機関である国立医薬品食品衛生研究所のホームページにあるICSCのサイトから、フェニトロチオンを選択して確認して下さい。

http://www.nihs.go.jp/ICSC/
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