ダイオキシンと塩素


E004

ご質問 

ダイオキシンの名称に<塩>が関わっていますが、塩で成り立っている、もしくは含まれている物質は、全てダイオキシンと関わりがあるのでしょうか。

 

回答 

ダイオキシンの名称に塩が関わっているのは、ダイオキシンの構造の中に、塩素が含まれているからです。塩で成り立っている、もしくは含まれている物質には全てダイオキシンと関わりがあるかどうかですが、それらの物質を燃やすとなれば、ダイオキシンの生成と関わりがでてきます。 

ダイオキシンの基本的な生成機構は、炭素、塩素、空気(酸素)、触媒が数秒間以上高温で共存することです。特に300度付近で最も生成率が大きくなります。ですから、塩素が含まれている物質を数百度で燃やすことは、ダイオキシンの生成と関わりを持つことになります。 

塩素と炭素が含まれている化学物質で身近な例は、塩化ビニル(通称−塩ビ)、塩化ビニリデン(食品包装用ラップの主流)、有機塩素系殺虫剤や農薬、塩素系漂白剤や洗浄剤などです。食塩もそうですが、この場合は、新聞などの有機物(紙、木材、プラスチック、衣類など)に含まれる炭素が必要です。触媒は、ものが燃えるときに発生する飛灰や環境中に微量に存在する銅や鉄などが関与していると考えられています。塩素、塩化、クロロといった名称を持つ化学物質は、塩素を含んでいます。 


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