尿道下裂や停留睾丸の子供たち


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ご質問   

尿道下裂や停留睾丸(または停留精巣)の子供たちは、たとえ治療を行ったとしても、将来思春期に悩まなければならなくなるのでしょうか。形が違っても何の問題も無いのでしょうか。 

回答   

停留睾丸の場合、出産直後には比較的多くみられることがあり、ほとんどの場合、数年内に睾丸が降りてきて正常な状態になるようです。睾丸は涼しい場所を好むため、陰嚢(いんのう:睾丸の袋)という体温より低い温度が保てるところにあります。ですからどうしても降りてこなければ、治療して出してやらなければならないのです。 

尿道下裂や停留睾丸を持つ子供たちが、将来において何らかの他の疾病をもつのではないかと不安になるお気持ちよくわかります。最近、環境ホルモンなどの環境汚染化学物質によって、尿道下裂や停留睾丸が増えている可能性が疑われており、精子数の減少などにも関連するのではないかと疑われています。 

でも、環境ホルモンなどの環境汚染化学物質によって尿道下裂や停留睾丸が増加し、あるいは精子数の減少が生じているという確かな証拠はまだ得られておりません。あくまで疑いがあるので、今後の研究がさらに必要だということです。これらの症状は、ストレスやライフスタイルの変化などの社会的要因、出産の高齢化などの影響も考慮しなければなりませんので、原因についてはよくわかっていないのが現状ではないかと思われます。 

尿道下裂や停留睾丸で手術しなければならない場合は、形成外科によって本来あるべき位置になるよう治療されます。でも私は医師ではございませんので、治療経験も治療後の経過も把握しておりません。ですから将来成長した時に、生殖機能に影響がでるリスクを通常の人たちより多く持っているのかどうか、残念ながらわかりません。 

ただ、これらの生殖器官の発育には、ストレスやライフスタイルなどの影響も大きいと思われます。お子さまやご家族が、できるだけ日常生活においてストレスをためない環境を作られること、バランスのとれた食生活や生活リズムを維持することが大切ではないでしょうか。


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