紫外線指数:UV Index


2002728

CSN #244

真夏の暑い時期は日差しが強くなり、太陽光に含まれる紫外線の強度が増加します。この紫外線への過剰曝露は、皮膚がんと白内障のリスクを増加させます。世界保健機関(WHO)によると、1970年代から皮膚がんの発生率が増加し、毎年世界中で23百万人の人たちが非黒色腫皮膚がんを発症し、少なくとも約13万人の人たちが悪性黒色腫を発症し、約2百万人以上の人たちが白内障で失明していると報告しています。そしてその背景として、ライフスタイルの変化、太陽光を求めて屋外へ出る機会が増えたこと、オゾン層の破壊によって有害な紫外線が地上に到達する量が増えたことにあると報告しています[1]

このような背景から、世界保健機関(WHO)、国連環境計画(UNEP)、世界気象機関(WMO)、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)、ドイツ連邦放射線防護事務局(GEORP)が、1997年に共同で紫外線指数(UV Index)を開発しました。このUV Indexは、地表面における皮膚への損傷に関する警告と、私たちが適切な防護行動ととるための指標となるよう定められており、紫外線強度を世界的に周知するための国際的な数値として扱うことができます。表1にその概要を示します。

表1 紫外線指数(UV Index)の概要

UV Index

行動指標

0−2

屋外で安全に楽しめる

3−7

真昼の時間帯は日陰を求め、シャツを着用し、日焼け止めを塗布し、帽子をかぶること

8以上

真昼の時間帯は屋外へ出るのを避け、日陰を確保し、シャツと日焼け止めと帽子が必須

 

WHOの世界紫外線プロジェクトであるINTERSUNがホームページ上にUV Indexを掲載しています。次のホームページアドレス(http://www.who.int/peh-uv/UVIpublic.htm)にアクセスすることによって、日本を含めた世界中のUV Indexの情報を得ることができます。

INTERSUNによると、1年を通じて日中のUV Indexの最高強度が8以上である都市として、ダーウィン(オーストラリア)、ナイロビ(ケニア)、パナマ(パナマ)、シンガポール(シンガポール)、コロンボ(スリランカ)、バンコク(タイ)があります。また、東京では4月から8月にかけて日中のUV Indexの最高強度が8以上になります。

INTERSUNUV Indexは、国内の状況や海外に滞在する時の紫外線対策の参考データとすることができるでしょう。またINTERSUNによると、シャツ、帽子、サングラスの着用、日焼け止めの塗布、真昼の時間帯は日陰に入ることによって、紫外線による健康リスクを減らすことができ、このような防止策によって、いくつかの国において従来よりも皮膚がんを70%以下に削減できたと報告しています[1]

Author: Kenichi Azuma

<参考資料>

[1] World Health Organization: “HELPING PEOPLE REDUCE THEIR RISKS OF SKIN CANCER AND CATARACT”,Press Release WHO/60, 23 July 2002
http://www.who.int/inf/en/pr-2002-60.html


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