フィリピン大気汚染防止法の焼却炉禁止問題


1999年3月29日

CSN #022

 

焼却炉に関する情報を提供してあげて下さい。(緊急)

フィリピンでは焼却炉禁止を含めた大気汚染防止法(CAA)の見直し検討を行っている。CAA案は下院及び上院議会を通過した。そしてすぐに、両院委員会で審議される予定である。

しかし、焼却炉業界が激しく反発していると、同志であるフィリピンの焼却炉反対派グループが報告している。焼却炉業界は今後、最高技術が採用された最新の焼却炉だけを使用する予定なので、禁止は行き過ぎた行為だと主張している。(そのような設備でもダイオキシンや他の化学物質による汚染問題が発生してきたのだが………)

グリーンピース−フィリピン駐在、毒物担当ウォン・ヘルナンデスが、緊急要望書を作成しています。どなたかこの最高技術が採用された最新の焼却炉(スーパーハイテクノロジー特殊焼却炉)からの排出物や残灰についての研究情報を、できるだけ早く彼に教えてあげて下さい。

E-mail: von.hernandez@dialb.greenpeace.org


以下これまでの経過

フィリピンでのごみ焼却炉禁止に関する上院議会での可決について

1999年 2月19日

「ごみ焼却炉禁止声明」

マニラに駐在している環境保護団体グリーンピースは、ごみ焼却炉完全禁止を盛り込んだ大気汚染防止法が上院議会で可決されたことについて歓迎の意を表した。このことは国際的にも画期的な出来事である。

また、大気中へ有害物質を放出するごみ焼却炉の禁止が議会で可決されたのは、フィリピン上院議会が世界で初めてのことである。

グリーンピースは、ごみ焼却炉禁止法案を支持する二人の上院議員を称賛した。この二人の上院議員とは、この法案の提案者であるグレゴリオ・オナサン上院議員、環境委員会議長のロレン・レガルダ上院議員である。

ごみ焼却炉禁止法案が上院議員会議で全会一致で可決されたことは、国際的にも画期的なことである。つまり、フィリピンは国内に有害物質による環境汚染を規制する法律を制定するとともに、フィリピンは取り扱いが難しい有害物質を環境中に放出しないということをも意味する。

ジョセフ・エストラーダ大統領は、この法案について早急に議論するよう求めた。

上院議員の動きは、ごみ焼却炉禁止法案を削除し、焼却炉で働く労働者のために厳しい基準を設置するように求めている焼却炉残存派の下院議員に対して圧力をかける動きへと変わってきているようだ。

しかしながら、基準の設置を求めた下院議員は法案委員会の聴聞会の中で、公的機関による基準についての調査を拒否した。そして、ごみ焼却炉禁止法案にかわって自然環境保護に関する法案がひそかに提案された。

グリーンピースは、大気汚染防止法におけるごみ焼却炉禁止法案を再度審議するために、ごみ焼却炉禁止に賛同する下院議員が動いてくれることを望んでいる。焼却炉残存派の下院議員によって提案された厳しい基準は、ゴム焼却炉による有害物質の排出から国民の健康を守れはしないだろう。

ごみ焼却炉を禁止することで廃棄物対策としては、廃棄物を発生させないこと、及びリサイクルシステムを構築することへと展開するようグリーンピースは望んでいる。

ごみ焼却炉は、最も毒性の高い化学物質であるダイオキシン類の最大の発生源とされてきた。これらの有害化学物質に暴露すると、発癌、出生異常、流産を引き起こす可能性が高くなる。また、生殖システムに対しても有害で、不妊症、免疫システムの低下、肝臓や腎臓へのダメージを引き起こす可能性が高くなる。

もっと情報をほしい方は、ウォン・ヘルナンデスの携帯電話に連絡して下さい。0917−5263050


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