アメリカ企業の塩素―アルカリ製造設備が相次いで閉鎖
1999年4月12日
CSN #032
アメリカワシントン州にある2つの塩素―アルカリ製造施設が閉鎖される。製紙メーカーの工場内で、パルプや紙の漂白剤として用いていた塩素を自社生産していた施設の閉鎖である。
「ウェアーハウザー社が塩素―アルカリ製造設備を閉鎖」
1999年1月6日
情報源:FEDEAL WAY, ワシントン
Weyerhaeuser(ウェアーハウザー)社は、事業の縮小と設備の合理化といった中長期計画の一環として、ワシントン州Longview(ロングビュー)にある塩素―アルカリ工場を閉鎖すると発表した。工場の閉鎖は1999年第一四半期の後半までに行われるとともに、もはや稼働することはない。
「今回の発表は、我々の事業の縮小と設備の合理化によって、資本を有効活用するための計画の一環である。」と最高経営責任者兼会長(CEO)の Steven R. Rogel が説明した。
他のWeyerhaeuser(ウェアーハウザー)社の工場やパルプ製紙産業と同様に、Longview(ロングビュー)にある製紙工場での環境問題対策の一環として、パルプや紙製造における漂白過程で塩素を使用しない方法へと移行してきた。また塩素を使用する他のプラスティック工業界では、世界市場において塩素が過剰に供給されている。Weyerhaeuser(ウェアーハウザー)社は現在の市況と、確実に操業を継続することに重要な資本を投資したいという理由で、塩素―アルカリ製造施設の閉鎖を選択した。
Weyerhaeuser(ウェアーハウザー)社は、1990年に設立された世界最大の木材関連製品の製造会社である。1997年に112億ドルの売上を上げ、12カ国に支店や工場を有し、世界中にユーザーを持っている。
「ジョージア・パシフィック社が塩素製造設備を段階的に閉鎖」
1999年4月5日
情報源:Pulp & Paper Week、サンフランシスコ
ジョージア・パシフィック社は、第四四半期までにワシントン州Bellingham(ベリンガム)にあるパルプ製紙工場の塩素―アルカリ製造施設を永久に閉鎖すると発表した。その施設は、パルプやティッシュパーパーを製造している自社の工場において、漂白剤として使用するための塩素と苛性ソーダを生産している。60人の従業員がこの閉鎖の影響を受けることになる。
また、2000年末までにこの製紙工場において、パルプの漂白過程で塩素を使用しないようにすると同時に発表している。それまでの間は他社から塩素を購入する。
Bellingham(ベリンガム)の製紙工場は、ティッシュペーパー製造工場として1925年に操業を開始した。ジョージア・パシフィック社は、1963年に Puget Sound Pulp and Timber社からその工場を獲得し、1965年に塩素製造設備を導入した。この工場では、パルプを年間175,000トン、ティッシュペーパーを88,000トン生産する能力がある。