ドイツのエコラベル−ブルーエンジェル−


2001820

CSN #200

ドイツでは、1978年から「ブルーエンジェル」というエコラベルを世界に先駆けて導入しています。このエコラベルは、環境保護マーク審査委員会(Jury Umweltzeichen)、ドイツ商品安全・表示協会(Deutsches Institut fuer Guetesicherung und Kennzeichung e.V.RAL)、ドイツ連邦環境庁(dem Umweltbundesamt)3つの機関によって運営されています[1]「ブルーエンジェル」の商品認定プロセス[1]を以下に示します。 

A)商品認定(ブルーエンジェルの基準書がある場合)

 

B)基準書の作成と商品認定(ブルーエンジェルの基準書がない場合)

 

「ブルーエンジェル」は、環境保全を考慮した商品や企業の環境に対する姿勢を知るための重要な指標となります。対象商品は、生産から廃棄に至るまでの全ての工程における環境保全が評価されます。「ブルーエンジェル」の認定期間は原則として3年間で、改めて基準の見直しが行われます。2001328日時点で認定を受けている商品数は2883品目で、メーカー数は649社になります。その概要を表1に示します。 

1 ブルーエンジェルの基準分類と認定状況(2001年3月28日現在、[1]をもとに作成)

 

基準分類

RAL-UZ

初版

有効期限

商品数

企業数

紙製事務用品家具

再使用可能なタイプライター用リボンカセット、及びトナーカートリッジ

55a

1989

2002

18

11

有害物質の放散量が少ない屋内用の木材製品

38

2000
(家具)

2004

23

11

再生ボール紙・厚紙

56

1989

2005

367

43

再生紙(環境保護紙)

14

1982

2005

289

73

廃棄物が少なく、省資源型のテキストマーカー

69

1991

2003

塩素無漂白で、主に再生紙を使用した新聞用印刷紙

72

1992

2005

19

11

オフィス情報機器

環境保全に適した設計のオフィス・コンピュータ

78

1994

2002

48

8

プリンター

85

1996

2002

42

7

ファックス機

95

1999

2002

コピー機

62

1990

2002

82

12

ポータブルコンピュータ

93

1998

2002

1

1

バスコントロールによる建築物システム技術

94

1999

2002

8

1

蛍光灯の電子チョーク・コイル

81

1994

2005

9

2

テレビ受像機

91

1998

2002

家庭用食器洗い機

97

1999

2003

家庭用洗濯機

96

1999

2003

家庭用衣類乾燥機

98

1999

2003

ガス及び電気調理器

101

2000

2003

省エネ型冷蔵・冷凍庫

75

1992

2002

ソーダ・メーカー

103

2000

2004

カセット/カートリッジ

86

1996

2004

1

1

浴槽制御システム

94

1999

2002

8

1

蛍光灯の電気安定器

81

1994

2005

9

2

太陽エネルギー製品と機械式時計

47

1987

2004

12

5

アルカリ・マンガン電池

92

1998

2002

5

2

水銀、カドミウムを含まないリチウム電池

50

1988

2002

空気亜鉛電池

16

1982

2002

暖房機器太陽エネルギー利

ガスバーナー式装置付き低公害暖房給湯ユニット

41

1987

2002

3

1

低公害のエア・ガスバーナー

80

1994

2002

17

6

低公害、省エネ型のガス燃焼器

61

1990

2002

59

25

ガスヒーター

71

1991

2002

13

6

低公害ガスボイラー

39

1987

2002

47

17

低公害暖房給湯器

40

1987

2002

44

12

低公害オイルバーナー/ボイラー(ユニット)

46

1987

2002

51

21

低公害オイル噴射式バーナー

9

1981

2002

109

24

ソーラーシステム

73

1992

2002

111

39

再生石膏製品

60

1990

2004

再生ガラスを主に使用している建築材料

49

1988

2003

37

5

再生パルプを主に使用した建築材料

36

1985

2002

16

3

有害物質の放散量が少ない合板パネル

76

1995

2003

15

7

断熱性のある多層ガラス

52

1988

2003

11

7

有害物質含有量の少ないニス(ニス塗り)

12a

1981

2005

411

27

再生パルプを主に使用した壁紙

35a

1985

2002

206

11

その他の素材を使用した壁紙

35b

1994

2002

1

1

熱利用(熱風)の木材につく害虫駆除

57

1989

2003

7

7

有害物質の放散量が少ない壁用塗料

102

2000

2003

(水洗便所の)節水型フラッシュ

44

1987

2003

2

2

節水型水栓装置

43

1987

2003

個々に電子制御可能な節水型シャワー

33

1985

2004

再生パルプ使用の衛生用紙

5

1979

2005

188

12

環境保全型の配管洗浄装置

24

1983

2005

16

10

浄化装置にダメージを与えないトイレ用衛生剤

84a

1996

2003

8

6

浄化装置にダメージを与えないトイレ用洗浄剤

84b

1998

2003

3

2

節水型トイレ

32

1985

2003

33

6

有害物質を含まない室内用害虫予防・駆除剤

34

1985

2005

20

9

ディスペンサー型ロール式手拭き布システム

77

1993

2004

18

4

省エネ型温風ハンドドライヤー

87

1996

2002

8

4

洗濯洗剤セット

70

1991

2003

ブラシ部が取り替え可能な歯ブラシ

82

1995

2003

14

2

無漂白のコーヒー及び紅茶用フィルターペーパー

65

1991

2004

6

4

再使用ビン

2

1979

2005

36

19

輸送包装の再利用

27

1984

2000

21

19

牛乳用プラスチック容器/

90

1998

2005

低騒音で排気ガスの少ないチェーンソー

83

1995

2002

3

1

電動ノコギリ用の潤滑剤で迅速に生分解するもの

48

1988

2002

84

10

コンポスト用低騒音庭木・枝カッター

54

1988

2003

23

4

再生材料を使用した植木鉢及びその他類似品

17

1982

2004

2

2

廃ゴム再生品

30b

1990

2002

5

3

廃プラスチック再生品

30a

1990

2003

72

39

無塩道路凍結防止散布剤

13

1981

2002

35

26

節水型洗車装置

23

1984

2003

8

7

低騒音建築機械

53

1988

2004

107

25

空港用除霜剤

99

1999

2005

1

1

カーシェアリング

100

1999

2002

11

11

迅速に生分解する油圧溶剤

79

1994

2002

68

6

ディーゼルエンジンを使用した低騒音、低公害の車両、公共車両、バス

59a

1990

2003

ガス動力の低騒音、低公害の車両、公共車両、バス

59b

1996

2005

1

1

低騒音及び省エネ型タイヤ(車両用)

89

1997

2004

1

1

再生タイヤ

1

1979

2003

1

1

潤滑剤、古油で迅速に生分解するもの

64

1991

2002

75

17

公共輸送機関用環境切符

51

1998

2005

10

7

騒音回避の為の低騒音使用済みガラス回収コンテナ

21

1983

2003

17

12

有害物質含有量の少ない消火器

66

1991

2002

カドミウムを含まない硬質はんだ

68

1991

2005

11

3

無鉛シール

67

1991

2005

3

3

水銀を使用していない医療用検温器

88

1997

2001

1

1

ウェット・クリーニング

104

2000

2004

総計

2883

649

 

日本では、財団法人 日本環境協会が運営している「エコマーク」というエコラベルがあり、現在68種類の商品認定基準があります。主に環境負荷が少ないなど環境保全に役立つと認められる商品に対して認定されています[2]

これらのエコラベルは、製造者が製品の設計・生産において環境保全を積極的に考慮するよう促進すること、消費者が製品を選択する際の重要なツールになることに重点が置かれています。そして製造者の生産活動や消費者の消費活動において、環境保全への意識が高まることが期待されます。

Author: Kenichi Azuma

<参考文献>

[1] Deutsches Institut fuer Guetesicherung und Kennzeichung e.V., Willkommen beim Umweltzeichen “Blauer Engel”, Status: April 2001
http://www.blauer-engel.de/

[2] 財団法人 日本環境協会「エコマーク」
http://www.jeas.or.jp/ecomark/index.html


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