母乳汚染と忘れ去られた危険物


1999年7月1日

CSN #073

<情報源>

ENS ニュ−ス−629日号 

 

<母乳汚染>

BBCニュース

URL: http://news.bbc.co.uk/low/english/health/newsid_380000/380948.stm

WWF(World Wide Fund for Nature)の報告書(Chemical Trespass:A Toxic Legacy『化学物質の侵入:有毒な遺産』)によると、イギリスで母乳に350以上もの人工汚染物質が見つかりました。この中には87のダイオキシン類と工業製品や農薬を含む190の揮発性物質が含まれ、これらは氷山の一角と考えられています。この量は、赤ちゃんがWHOが定める一日の摂取基準の10培から40培もの環境ホルモンに曝されていることを意味しています。しかし専門家は母乳を与え続ける様に求めています。なぜなら免疫や栄養面での利点、及びきずなを考えてのことです。さらに代替品としての牛乳もやはり汚染されているからです。 

報告書によると、最近野生生物における妊娠異常や、生殖、行動、発生障害を示す科学的証拠が増え続けています。同様の問題が人にもおこり、子どもの精神的発達への影響や癌へのリスクの増加が懸念されています。胎児や新生児への暴露を減らすことが現代社会の課題でもあるのです。 

WWFは更なる調査と、分解しにくい化学物質の使用と製造の中止を政府に求めました。この問題は単に母乳だけの問題ではなく、牛乳を含むすべての食品の問題なのです。

 

<忘れ去られた危険物>

Earth Times News Service

URL: http://www.earthtimes.org:80/jun/environmentforgottenandjun29_99.htm 

地球上に数10万トンもの危険な、しかも使われなくなった農薬があることがわかりました。国連 FAO(Food and Agricultural Organization)によると、これらが食物や水に危険をもたらし、遊んでいる子ども達に触れるかもしれません。この問題はポーランドやウクライナ、そして特にアフリカで広がっています。取り除く最も安全な方法は、焼却炉を作り高温で燃やしてしまうことです。先進国では過去に燃やされてしまったため、このような問題はあまりありません。アメリカ、オランダ、デンマーク、ドイツ、スウェーデンがFAOと共に除去のため2400万ドルを使ってきましたが、まだ数100万ドル必要でしょう。 

FAOは農薬企業に対し、このプログラムに参加するよう、また何らサポートもなく危険性を知らせることもなしに販売攻勢することを止めるよう求めています。 

文:金田澄子


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