有機農家の皆さん、GM花粉にご注意!


1999年5月16日

CSN #051

<情報源>

ENS (1999512日)号掲載、原文BBC News

URL: http://news.bbc.co.uk/hi/english/sci/tech/newsid_341000/341818.stm

   

<要約>

イギリス政府に委託されたGM作物に関する科学レポートはGM花粉がかなり遠くまで広がると報告した。農業省は報告を求めたことは認めたが、まだ原稿の段階としてコメントは拒否した。農業省と環境庁は土壌組合(Soil Association) や有機農業者の代表と514日に会談し、この問題について話し合う。GM植物による有機作物の汚染は避けられないと述べるとみられている。

レポートによるとGM花粉は昆虫や風により遠くまで運ばれ、トウモロコシの場合普通の天気で180km離れたところで受粉できるとしている。

GM作物の栽培試験のルールではGM作物と普通の作物の間に200mおくことになっている。レポートは有機作物の1%が交配しGMとの雑種になっているとし、有機作物として何%までなら受け入れられるか議論している。土壌組合の理事は、「我々はあくまで汚染の最低レベルを設定することに反対する。消費者はnon-GM食品とはそれが1%とか5%混じったものではなく、GM-freeであると考えている」と述べた。 

いくらかの科学者は、花粉が遠くまで運ばれることは認めているが、受粉することは非常にまれだとしている。花粉はその受粉能を比較的早く失い、たとえ遠くまで運ばれたとしてもその地域の花粉に対抗できない。 

植物にとって他種の植物と交配することは難しいので、GM作物の周りに他種の植物を作ることでリスクを下げることができる。しかし、科学者によるとGM花粉が広がる可能性はゼロではなく、完全に防ぐことのできるバリアゾーンというのはありえないとしている。

文:金田澄子さん


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