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古代史と現代政治が一体となっている前近代国家、韓国(その2)


 8月7日の産経新聞は、「高句麗帰属問題 韓国、中国に“抗議” 歴史紛争、外交問題へ発展」という見出しで次のように報じていました。
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 「東アジアの古代国家・高句麗(こうくり)の歴史はどこに属するか−。韓国と中国の“歴史紛争”は、韓国政府が中国政府に対し『韓国の歴史』であることを認めるよう要求したことで外交問題に発展しつつある。韓国は六日、外務省を中心に政府対策協議会を開き、中国に対し『深刻な憂慮』を表明するとともに、訪中した外務省アジア局長を通じても強い遺憾の意を伝えた。
 韓国外務省はこの問題をこれまで文化外交局が担当してきたがアジア局に移し、政治・外交問題とし対処する姿勢に変わった。・・・」

 「韓国外務省はその背景について『高句麗の歴史はわが民族のルーツであり、民族の基本にかかわる重大な事柄。中国政府が善隣友好の精神に立ち歴史歪曲(わいきょく)を直ちに中断するよう、深い関心をもってその態度を注視している』(五日、申鳳吉・外務省スポークスマン)としている。
 すでに韓国マスコミは『対中投資の再検討や観光・文化交流規制も』などと対中強硬策をあおっており、国会では六日、『高句麗史歪曲はわれわれの歴史主権に対する明らかな侵害』とする与野党共同の中国非難決議案が提出された。政府を含め北朝鮮との共同行動案も取りざたされている」
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 韓国には学問研究の自由というものがないのでしょうか。韓国は一応、自由、民主主義国家を自認しているはずですから、国民には学問研究、思想、良心の自由が認められているはずです。自国民に自由を認めるのであれば、外国人、外国政府にもその種の自由を認めなければなりません。
 中国政府が現実に「高句麗は中国の一部」史観に基づき、韓国の利益を損なう軍事行動なり、外交活動を行っているならともかく、単なる歴史認識、文化広報活動にとどまっている限り、韓国政府に出来ることは異論を唱えるか、対抗して広報活動を行うことのみであって、中国に抗議し、是正を求めるための政治的圧力を加えるのは、他国の自由を侵害する行為という他はありません。

 また、韓国人が言っていることは相変わらず、「歪曲」の一語の繰り返しで、中国にとっても、第三国にとっても何ら説得力のないものです。「わが民族のルーツ」などと言うことは他人には通用しない自己中心的な主張で、科学的であるべき「歴史認識」に不純な動機を持ち込むものです。
 自国と異なる認識を「歪曲」というのならば、中国政府にとっては韓国の主張こそが「歪曲」に他ならないことに韓国人はなぜ気が付かないのでしょうか。相手を批判するに当たって、「歪曲」と、「捏造」、「改竄」の三語しか発しない韓国人は低能という他はありません。

 産経新聞は中韓両国の摩擦を、「冷静」に、「客観的」に報じていて、韓国に対する批判の論調はありません。いくら直接日本の利害に関わりのないこととはいえ、韓国に非があることははっきりそう指摘するべきだと思います。それに、日本は度々韓国の「歴史認識」には被害を被っていて、今回の中韓の騒動は、決して日本の利害に関わりのないこととは言えない訳ですから、これを機会に韓国の異常性を徹底的に批判すべきだと思います。傍観者的な態度は理解できません。

平成16年8月7日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る   目次へ