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兵役免除が「褒賞」になる国

 3月18日の産経新聞は、WBC野球大会を報じる記事での中で、「韓国11人の兵役免除」という見出しで、次のように報じていました。
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 「韓国政府は14日、ベスト4進出を決めた韓国の選手に対して、「兵役免除の特例」を決めた。対象になるのは崔熙渉ら11人。・・・国家代表としての活躍に対する褒賞と同時に2年間の兵役が選手生命を損なうことを考慮しての特例だ」
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 一般に、兵役は国民の国家に対する名誉ある義務とされています。戦前わが国では、万歳の声に送られて兵士は出征しました。家族を残して戦地に赴くことの不安、死に対する恐怖は何時の時代も変わらないと思いますが、それでも、今も昔も兵役は名誉ある義務されてきました。専制国家ではいざ知らず、国民国家ではそれが当然のことだと思います。兵士が本音でどう思っているかはともかく、国家の建前は兵役は決して単なる「強制労働」ではありません。

 しかるに、韓国ではスポーツで功績のあった者に対する褒賞として兵役を免除しました。これは一体何を意味するのでしょうか。功績のあった者に対して名誉の剥奪をもって応えたことになります。「名誉の剥奪」が褒賞になるはずがありませんから、韓国では建前上、兵役は「名誉」ではなく強制労役と考えられていることを意味していると考える他はありません。

 韓国政府は最近になって、「日帝強占下強制動員等被害」と称して、日本統治下の徴兵・徴用に補償金を支払うことを決めましたが、現代の自国の兵役さえ単なる強制労役としか考えない国民にとって、日韓併合下の兵役・徴用が「強制連行」としか理解できないことは当然と言えば当然だと思います。

平成18年3月19日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ