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韓国マスコミの「天皇」表記拒否

 産経新聞(9月12日朝刊)に韓国のマスコミが日本の天皇を「天皇」と呼ぶことに拒否反応を示し、「日王」と表記していることが報道されています。そしてその背景に民族主義感情が高まったことが挙げられています。日本が自国の君主をどう呼ぼうとそれは日本人の勝手で、なぜ韓国人がそれにこだわるのでしょうか。あいつの名前は俺より偉そうだと言って本名を呼ぶことを拒否すると言うに等しい愚行です。

 韓国の歴史上の君主が「王」であり、皇帝や天皇でなかったため、日本の「天皇」を認めると自国の君主が日本の君主よりも格下になってしまうから、と言うのが理由のようです。朝鮮半島の国が歴史上常に中国の属国の地位にあり、歴代の朝鮮の君主は中国の皇帝によって冊封された「王」であったことは歴史的事実です。そして、日本は中国の属国ではありませんでした。これは歴史的事実ですから否定するわけには行きません。韓国人が日本の天皇を「日王」と表記していることは、歴史的事実を否定し、日本も韓国と同じ中国の属国であったことにしようと言うのと同じです。これは一種の「歴史の改竄」です。

 韓国も、日清戦争後のごく短期間ではありましたが中国の属国の地位を脱し、「大韓帝国」、「皇帝」と称した時期もあったのですから、日本の「天皇」がいけないと言う理由は全くないはずです。そして現代は中華思想の時代ではないのです。韓国人のアナクロニズムはいい加減にしてほしいと思います。

 なお、韓国政府も「日皇」の呼び方は「日本の天皇」の略称として、引き続き使用するとのことですが「日皇」は単なる日本の天皇の略称ではすまされません。天皇は現在世界中で日本の天皇だけで、わざわざ「日本の天皇」として、さらにそれを「日皇」と短縮する必要が全くありません。日本人が歴代の朝鮮の「王」を「鮮王」と呼んだら単なる略称ですむでしょうか。「鮮人」が単なる朝鮮人の略称でなかったのと同様です。

平成10年9月13日      ご意見・ご感想は   こちらへ      トップへ戻る      D目次へ