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忌まわしき、韓国人の人種(血統)主義 −(倒錯した韓国人の先祖認識)

 12月21日の韓国の新聞「朝鮮日報」のホームページ(日本語版)は、「日本に残る韓民族の足跡をたどる(上)(中)(下)」と題して、次のように報じていました。
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 「高松塚古墳、法隆寺、東大寺、広隆寺、大宰府、船山古墳、石舞台古墳…。日本が誇るこれらの遺跡の共通点は何か。それは韓民族、すなわち大韓民国の祖先の霊と魂、汗が染み込んだ代表的な場所だということだ」

 「飛鳥地方は6−7世紀に韓半島(朝鮮半島)や大陸から仏教をはじめとするさまざまな文物を受け入れ、日本の文化を花開かせた場所だ。ここでも韓国の先祖の遺産はあちらこちらに散在している」

 「奈良の宝庫である法隆寺は、日本の3大偉人の一人、聖徳太子が創建した寺で、日本で初めて世界文化遺産に指定された。ここにも韓国の先祖の汗と魂があちこちに染み込んでいた」

 「ウ・ジェヨル教諭(52)=ソウル・世和女子高=、チェ・ジョンオプ教諭(42)=大邱・聖光中=は、『日本が誇る遺跡が韓国の先祖の魂と汗で作られていることをこの目で確認でき、民族的自負心を持つようになった』と語った」

 「江原大の孫承赴ウ授は『わが韓民族が古代日本の領土に文明と文化をもたらしたという華麗な過去の歴史を振り返り、自己陶酔に陥ってはならない。日本のあちこちに今も残る先祖の足跡を訪ね、韓日の古代史を彩る文化交流の実態と韓国人の進取的開拓精神を再発見し、これからの韓日関係を発展させる原動力と自信を見出すべきだ』と強調した」
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 これらの記事が繰り返し言っていることは、日本の古代の文化や建造物は、韓国(韓国人)の先祖が作ったと言うことですが、果たして、そういう理屈になるのでしょうか。

 言うまでもないことですが、現在日本にいるのは日本人であって韓国人ではありません。日本の古代建造物を建てたのは、その現代の日本人の先祖たちです。日本に渡り、日本に古代文化を伝えた渡来人は、現代の韓国人の先祖とは言えません。それなのに何故、彼らは韓国人の先祖というのでしょうか。

 アメリカ東部の都市の建造物遺産には、当時のイギリス文化がそのまま残っているものがあると思いますが、現代のイギリス人の旅行者がそれをみて、「イギリス人の先祖が作った」と言って自慢するでしょうか。そんな言い方はしないと思います。アメリカの開拓者達はアメリカ人の先祖であって、現代のイギリス人の先祖ではありません。

 日本人と韓国人は先祖の一部を共有すると言うことは言えますが、そんなことは当たり前のことです。人類の祖先はアフリカのある一カ所に行き着くと言うことは人類学の常識ですから、遠いか近いかはあっても、祖先は共通に決まっています。当たり前のことです。

 それに、先祖が誰々であったとか、先祖がどうであったかは、古代史としての議論であって、現代とは全く別の問題です。祖先が立派な人物であったかどうかは、現在の人間関係とは切り離して考えなければなりません。先祖の問題を現代に結びつけて論じようとするのは、忌むべき一種の人種主義(血統主義)と言うべきです。遠い先祖を現代と結びつけて優越意識を得よう(自国の貧弱な文化遺産に対する劣等感を克服しよう)とするこの記事の中には、はしなくも韓国が世界中からひんしゅくを買っている、人種主義(血統主義)的傾向が見え隠れしていると思います。

 また、木造建築技術や仏教文化のほとんどは中国・インドに由来する文化・技術であって、韓国のものではありません。韓国は通過してきただけです。日本の古代文化を韓国人の足跡というのなら、韓国の古代文化は韓国における中華民族の足跡と言わなければなりません。韓国人は子供たちにそのように教えているのでしょうか。

 イギリス人がアメリカの文化遺産を見ても、自国の文化遺産であるかのごとく自慢しないのは、自国に豊かな文化遺産が多数残っているからでもあります。そして韓国人が日本の文化遺産をあたかも自分たちの物であるかのごとく自慢するのは、自国にめぼしい文化遺産が何もないからです。しかし、だからと言って日本の文化遺産を、あたかも自国の文化遺産であるかのように思いこむのは妄想に他なりません。

 日本をありのままに見聞するための、せっかくの日本旅行が、「妄想を昂進させる旅」になってしまっては、韓国人は救いようがないと思います。

平成20年12月21日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ