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韓国人に罵声を浴びせると“ヘイトスピーチ”になるのか


 6月18日の毎日新聞は、「ヘイトスピーチ:在日排斥掲げる 娯楽化する差別 デモ隊と反対派衝突、逮捕者も」と言う見出しで、次のように報じていました。
http://mainichi.jp/area/news/20130618ddp041040022000c.html
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毎日新聞 2013年06月18日 西部朝刊

 特定の民族や人種を汚い言葉でののしる「ヘイトスピーチ(憎悪表現)」。在日コリアンが多く住む地域を中心に昨年から毎週のようにデモが行われ、16日にはカウンターと呼ばれる反対派との衝突で逮捕者も出る事態となった。日章旗や旭日旗をはためかせ、差別をあおる真意は何なのか。現場を歩いた。【小泉大士】

 「ゴキブリ、ウジ虫、朝鮮人。お前らを一匹残らずたたきつぶす」

 16日午後3時。韓国料理店や韓流ショップが並ぶ東京・新大久保の大久保通りで在日コリアンの排斥を掲げるデモが始まった。

 拡声機で激しい言葉を浴びせるのは、デモの主催者で「行動する保守」を掲げるグループ「新社会運動」の桜田修成氏。インターネットの告知や口コミで集まった参加者は約200人(警視庁調べ)。20〜30代を中心に男性が約8割を占めるが、女性会社員風や年配女性、ベビーカーを押しながらの女性もいる。

 「いつまで差別を楽しむのか。恥ずかしくないか」。怒声を上げたのは、今年1月に音楽業界の関係者らで発足した「レイシスト(差別主義者)をしばき隊」ら反対派。「それは主張やない ただの暴言や」などと書かれたプラカードを歩道で無言で掲げる「プラカ隊」なども合わせ約350人に上る。

 小競り合いで顔から血を流した男性も。「帰れ、帰れ」。反対派のシュプレヒコールが過熱すると、機動隊員が「朝鮮人ハ皆殺シ」などと書かれたプラカードを持って行進するデモ隊との間に割って入った。

 「差別主義者は恥を知れ」というプラカードを持ったフリーターの男性(25)は「表現の自由としては度が過ぎる」。「憎悪の連鎖は何も解決しない」という横断幕を広げた別の男性も「弱い者いじめに過ぎない」と話した。通り沿いで飲食店を経営する韓国人男性(45)は「韓国で報道されたら、誤解が広がり反発を招く」と顔をしかめた。

 この日のデモでは
「在日特権を許さない市民の会(在特会)」会長、高田(通称・桜井)誠容疑者(41)ら8人が暴行容疑で警視庁に逮捕された。同会は2010年8月、京都市の京都朝鮮第一初級学校の授業中に「朝鮮学校をたたき出せ」などと大音量で侮辱を繰り返したとして、幹部ら4人が威力業務妨害容疑などで逮捕されている。
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「ヘイトスピーチ」とは一体なんでしょうか。あまり聞き慣れない言葉です。「ウィキペディア」によると次のように説明されています。
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ヘイトスピーチ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%B9%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%81

 ヘイトスピーチ(英: hate speech)とは、日本語で直訳すれば「憎悪発言」や「憎悪表現」を意味するが、人種差別撤廃条約等で用いられる法的用語としては、
差別」と関連付けて定義される

すなわち、ある個人や集団を、人種(民族)・国籍・性といった先天的な属性、あるいは民族的文化などの準先天的な属性、あるいは宗教などのように人格との結び付きが密接な特別の属性で分類し、それを有することを理由に、差別・排除の意図をもって、貶めたり、暴力や誹謗中傷、差別的行為を煽動したりするような言動のことを指す[1]。また、それらを共有する人々全体を誹謗中傷し、あるいは特定の無能力性と結びつける表現を意味する言動もヘイトスピーチになる場合がある[要出典]。

日本国内では「差別的表現」と解釈されることが多いものの、人種差別撤廃条約が処罰を求めるのは、その内、「人種的優越又は憎悪に基づく思想の流布、人種差別の扇動、暴力行為又はその行為の扇動」、「人種主義に基づく活動に対する資金援助を含む援助の提供」、及び、「人種差別を助長し及び扇動する団体及び組織的宣伝活動その他のすべての宣伝活動」に限られる。

なお、ヘイトスピーチは差別的な表現であるから、当該表現の対象とされた個人や団体の属性との関連性がなければ、一般的な罵詈雑言であり、ヘイトスピーチではない。また、国家・公共圏に対する批判も、個人や団体を属性に関連付けて批判するというヘイトスピーチの定義にあたらない。但し、国家とそれを構成する国民とを同一視する思考には、属性のみで人を評価・判断しようとするものであり、「ある国の人が自国を非難したから、その国の人はすべて敵であり、非難されるべきである」という考え方は、属性での評価がなされている点で差別的であり、ヘイトスピーチにつながる場合があるので、注意が必要である[要出典]。
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 この解説をもとに考えると、
ヘイトスピーチとは主に人種差別を想定していると考えられます。しかし、(残念ながら?)日本人と韓国人は人種的にはほとんど同一人種に属し日本人から見て、彼等に人種的な特徴を見いだすことは困難です。
 「ゴキブリ」、「ウジ虫」と言っていても、韓国人の顔がゴキブリやウジ虫に似ているという意味ではなく、単なる罵詈雑言であることは明らかです。デモ行進での罵詈雑言は言論の自由の範囲内です。

 今回デモ行進をしたのは
「在特会」(在日特権を許さない市民の会)と称する団体に所属する人たちです。彼等は在日韓国人・朝鮮人は普通の外国人居留民と異なり、日本国内で永住権や年金受給などで特権的な法的地位を得ていることを非難する人たちです。これには、一理も二理もあります。そしてデモ行進した人たちが罵声を浴びせた相手は、これらの“特権階級”の人たちです。この点からもこの罵声を「ヘイトスピーチ」と非難するのは不当です。

 毎日新聞は「特定の民族や人種を汚い言葉でののしる『ヘイトスピーチ(憎悪表現)』」と表現していますが、在特会は在日韓国人を理由があって罵声の対象にしているだけで、彼等に対して「朝鮮民族・コリアン」であるが故の罵声を浴びせているわけではありません。
 毎日新聞の指摘は適当ではありません。アジアのどこかで、何かの理由で
華僑排斥運動が起きたとしても、それが直ちにヘイトスピーチになるわけではないのです。

 今回の事態を
人種差別に結びつけるのは、こじつけであり、話のすり替えに過ぎません。韓国人が日本人から嫌悪感を示されたり批判されたりすると、反論できず、馬鹿の一つ覚えのごとくに“サベツ、サベツ”と話をすり替え、被害者を装って反応していたことと同一線上にある現象です。

 今回の事態で、少なくとも普通の日本人読者は、日本国内に韓国人を忌み嫌う日本人たちが行動していることを知りました。日頃漠然と
韓国、韓国人(あるいは韓流)について違和感、嫌悪感を感じていた人たちにとってその意義が決して小さくない事を願ってやみません。

平成25年6月19日   ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ