D26
金嬉老の指紋押捺                     (「現代コリア」99年11月号掲載)

 殺人の罪などで無期懲役に服していた、在日韓国人金嬉老が仮出獄し、9月7日韓国の釜山に「帰国」しました。新聞報道(9月8日の読売新聞、産経新聞)を見ると、地元釜山市での住民登録のために、壇上で若い女性に手を取られ、両手の指紋押捺をしています。司会者が「これで釜山市民になりました」と披露したことも報道されています。

 在日韓国人は外国人登録法に基づく指紋押捺に強硬に抗議していました。彼らも、日本の支援者も指紋押捺は人権侵害だと言っていました。韓国政府も日本政府に対して指紋押捺をやめるよう要求していました。それなのに、自分たちは指紋押捺をしているというのは一体どういうことでしょう。しかも、公衆の面前でセレモニーのごとく行っていたようです。日本の指紋押捺は人権侵害で、韓国の指紋押捺は人権侵害にはならないのでしょうか。

 日本の新聞は、指紋押捺制度をめぐる議論に於いて、韓国では指紋押捺制度があると言うことを何故報道しなかったのでしょうか。国民がその当否を判断するにあたり、重要な情報であったと思います。

平成11年9月11日    ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ