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韓国人が「日本の国際化」を主張する不思議

 12月28日の産経新聞紙上で、在日韓国民団国際局長の徐元浮ウんは、在日韓国人の地方参政権を主張する中で、「反対論者は、永住外国人への地方選挙権付与が、むしろこれからの日本の国益に資することを、広い視野に立って理解すべきです」、「・・・ひいては日本の発展につながるものです」、「・・・受け入れてこそ日本の明日があると確信しています」などといっています。

 以前、6月19日の産経新聞コラム「斜断機」でも、鄭大均東京都立大学教授は、在日韓国人の日本国籍取得を主張して、「・・・在日の日本国籍取得は日本社会の多元化への準備としても好ましい。・・・コリア系日本人の誕生は日本社会の多元化のとっかかりになるであろう」と言っていました。

 このように自分の利益のための主張を、「・・・それが日本のためになるんだ」という言い方をするのは韓国人の特徴です。普通、二国間での交渉で自国の主張をするに際して、「それがお前のためにもなるんだ」というような言い方はしません。そのような言い方は、「お前は何が自国の利益になるか分かっていない」というに等しいからです。もし、日本人が、「韓国は日本文化を無条件に開放すべきだ。それが韓国のためにもなるのだ」とか、「韓国は日本語を排斥することをやめるべきだ。自由に任せることが韓国文化の発展のためにもなるのだ」という言い方をしたら、韓国人は素直に耳を傾けるでしょうか。

 韓国人は日本国内での待遇改善要求をするときには、必ずと言っていいほど「日本の国際化」を主張します。少し古い話しですが、平成6年5月30日の産経新聞で、在日韓国人の地方参政権問題を特集した記事の中で、桃山学院大学の徐龍達教授は、「日本国民というのは、日本国籍を持つ住民ではなく国や地方公共団体を構成する住民という発想があってもいいのではないか。国籍だけで国民を定義するような考え方は、すでに前世紀の遺物です。・・・外国人対日本人という構図はもう時代遅れです。・・・『アジア市民』の一員として生きる日本に脱皮して初めて、真の国際化が達成できるでしょう」といっていました。

 韓国人が本当にそのような「国際化」が望ましいと思っているなら、まず自分たちでやってみたらいいと思います。人に奨める前に自分でやってみることです。韓国が国籍という概念を放棄し、韓国民を韓国籍を持つ住民に限定するのをやめ、すべての海外からの出稼ぎ労働者、中国吉林省の朝鮮族、中央アジアのコリア系カザフスタン人、在日韓国人、北朝鮮難民、ベトナムにいる戦争混血児等を平等に受け入れるアジア市民国家に脱皮してみることです。韓国がそのような多民族国家、アジア市民国家になり、「真の国際化」を達成し、幸福になったのを見届けてから、日本が彼らの言う「国際化」を採用しても決して遅すぎることはありません。

平成12年1月6日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ