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ますます異常になってゆく、日韓関係

 3月21日の読売新聞に、中曽根文相の訪韓を伝える、「日韓新時代着実に」という記事がありました。その中に次のような部分があります。

 「・・・今回、教育分野の交流促進では一致したものの、韓国側が要望した、@大学入試センター試験への韓国語の採用、A在日韓国人の教員採用−については(中曽根)文相も検討するという姿勢にとどめた」

 韓国政府が、「日本のセンター試験で韓国語を採用せよ」と要求するのはばかげています。日本のセンター試験をどうするかは、日本の国内問題で韓国政府が口を出す問題ではありません。日本政府が同じようなことを韓国政府に要求したら、韓国人がどのような反応を示すか考えてみればいいと思います。

 韓国では、かつて大学(確か国立ソウル大学だったと思います)入試で外国語科目で日本語での受験が認められていましたが、韓国の高校生の間で日本語での受験者が増え、日本語が外国語としてひろがりだすと、「日本語は学術的な言葉ではない」という屁理屈をつけて受験科目から排除してしまったという経緯があります。自分たちは日本語を排除しておきながら、日本に対して韓国語を入試科目として認めろと言うのは、厚かましい限りです。

 同じ3月21日の読売新聞の第2面には、「日韓教育交流 留学生1000人受け入れ 文相会談で合意」と言う記事もありました。韓国からの留学生1000人を、日韓両国政府が費用を折半して、日本の理工系国立大学に受け入れようと言うものですが、この合意の中に、日本の学生を韓国の大学に留学させようと言うプランはもちろんありません。「交流」と言っても決して対等、相互的なものではないのです。これは日韓関係のすべてについて言えることです。

 このような留学の実態を見れば、韓国の大学が日本語を試験科目に採用し、学生に日本語を学ばせることは必要かつ有益であっても、日本の高校生が韓国語を学ぶ必要性はほとんどないことは容易に理解できます。それにもかかわらず韓国政府が、日本に対して、「センター試験に韓国語を採用しろ」と言いだしたのは、現実を直視せず、何事につけても日本が韓国と同じことをしてくれないと不満が鬱積すると言う、甘えと、劣等感と、誇大妄想が入り混じった韓国人の異常心理の表れだと思います。

 次に、在日韓国人の教員採用の要求についてですが、在日韓国人を、日本の学校の教師に採用することは、教育交流と何の関係もないと思います。

 また、記事には、「歴史教科書については、(韓国の)文教育相は『国民の相互理解は過去に対し、客観的かつ正しく認識することから出発する』と述べ、日韓両国の小中学生を対象に『韓日文化教材』を開発することなどを提案した」とありますが、何が「客観的」で、何が「正しい」かは、誰がどういう基準で判断するのでしょうか。韓国は中国や、ロシアにも同じような提案をするのでしょうか。もし、日本に対してだけこのような提案をするのであれば、その理由は何なのでしょうか。

 さらに、「・・・日本の大衆文化開放を推進したことから、韓国に『次は日本がわれわれの要望を聞く番』との期待が高まっている。5月末にも予想される金大統領の来日の際歴史教科書づくりや在日韓国人の教員採用などで日本側の努力を促す場面も予想される」と、報じられていますが、韓国における日本の大衆文化開放は、韓国の国内問題であって日本が要求したわけではありません。しかも文化の開放などは当たり前すぎるほど当たり前のことです。韓国が当然のことをしたからと言って、日本人が韓国の理不尽な要求をのむ必要はありません。

 新聞記事の見出しは、「日韓新時代着実に」となっていますが、日韓関係はますます異常になってきていると思います。

平成12年3月26日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ