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新しい友人(?)の歓心を買うために、他の友人の悪口を言っている金大統領

 6月27日の京都新聞によると、韓国の金大中大統領は、先の南北首脳会談で在韓米軍の将来の役割について、「在韓米軍は地域の安定のために駐留している。中国と日本の朝鮮半島地域での覇権争いを防ぐため、在韓米軍はいてもらった方がよいと日本と中国の名前を挙げて説明していたそうです。

 金大統領は南北会談を前にして、日本に対しては日米韓の緊密な連携と、韓国の太陽政策に対する支持を訴えていましたが、日本が朝鮮をめぐって中国と覇権争いをするとか、その日本をけん制するために在韓米軍が必要という考えは、日米韓三国の緊密な連携という主張とは相容れないと思います。金大統領は今度日本に来たときも、在韓米軍の必要性について同じ説明をするのでしょうか。

 金大統領が、98年の訪問時に「パートナーの関係」といった中国に対しても、同様のことは言えます。金大統領の「パートナー」という言葉が、大変白々しく聞こえます。

 この後、金大統領は朝鮮戦争勃発50周年記念式典で、朝鮮戦争の開戦責任について、「・・・スターリンの目的は当時、弱体だった日本を含むアジア太平洋地域の共産支配のための陰謀にあった」と述べ、北朝鮮の責任を免罪にするかのような発言をしました。さらに、南北分断について、分断の原因は日本帝国主義支配にある。日本が敗亡し、われわれが日帝の領土だったという理由でソ連軍と米軍がそれぞれ北と南を占領したためだ」と述べ、南北分断の責任をソ連(現ロシア)と日本に転嫁しました。

 韓国人は今まで朝鮮戦争について、北の侵略と非難してきました。今回、南北宥和のためとはいえ、周辺の諸国(日本、中国、ロシア)に対してこのような言い方をすることは、新しい友人の歓心を買うために、他の友人の悪口を言っているのと同じで、その結果、信頼を失うのは韓国人だと思います。

平成12年7月1日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ