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日本と韓国はいつまで「特殊な関係」なのか

 9月19日の朝日新聞は韓国の金大中大統領の、永住外国人地方参政権付与をめぐる発言を次のように伝えていました。

 ・・・金大統領は「(日韓両国に)特殊な関係があることをよく考えてほしい。現在はすでに2世、3世の時代になっているが、彼らは社会で義務を果たし、忠実に地域づくりに貢献している。彼らに地方選挙権を与えることは、彼らの勇気を高めることだ」と強調。さらに「米国が大きく発展したのは差別なき社会を築いたためだ。地方選挙権を認めれば、道徳と人権に開かれた日本の政策的な立場として全世界から称賛されると思う」と語った。

 金大統領は日韓両国が特殊な関係にあると言っていますが、何を指して特殊な関係と言っているのでしょうか。日本は過去36年間朝鮮を植民地支配しましたが、そのことを指しているのでしょうか。旧植民地と旧宗主国と言う関係は世界各地で見られる関係で、そんなに特殊なものではないと思います。1945年に朝鮮が独立を回復(韓国では『光復』と言っています)してからすでに55年の歳月が経過し、その間、日韓基本条約、日韓協定によって財産請求権の問題にも決着が着いています。一体今の日韓関係のどこが特殊な関係なのでしょうか。理解に苦しみます。

 「過去の不幸な関係」を清算したいと思っている韓国人が、いつまでも「特殊な関係」の存在を主張するのは矛盾しています。このような韓国人の主張は、例えて言えば、自分の意志で離婚し、財産分与も終わった元妻が、いつまでも過去の特殊な関係を口実に、元の夫につきまとい金の無心をしているのと同じです。特殊なのは日韓関係ではなくて、韓国人の対日認識ではないのでしょうか。

 さらに金大統領は、在日韓国人の2,3世について、「・・・彼らは社会で義務を果たし、忠実に地域づくりに貢献している」と言っていますが、義務を果たすとか、貢献しているというのは、具体的に何か特別なことを指しているのでしょうか。彼らは単に日本で就労していると言うだけではないのでしょうか。日本で就労していることを貢献というのなら、出稼ぎ外国人も、不法就労外国人も皆同じで、韓国人だけが貢献しているわけではありません。

 また、アメリカについて、「・・・差別なき社会を築いた」と言っていますが、アメリカは本当に差別のない国なのでしょうか。アメリカの黒人がこの発言を聞いたら、その通りだと言うでしょうか。それにアメリカは定住外国人に地方参政権が認められている国ではありません。金大統領のアメリカに対する認識には誤りがあると思います。

平成12年9月21日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ