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なぜ、いつも日本人女性と韓国人男性の組み合わせなのか

 1月14日の産経新聞は「2002年日韓国民交流年」、「紀香さん 親善大使に」という見出しで、次のように報じていました。

 「日本政府は『2002年日韓国民交流年』に合わせ韓国との友好・交流親善のため大使を任命することになっているが・・・、女優で人気タレントの藤原紀香さん(30)が内定し、近く正式に発表されるという。・・・韓国側の親善大使も近く任命されるが、男優の安聖基さんらが候補に挙がっている」

 その3日前の1月11日の読売新聞には、「荒波越え日韓共同製作」と言う見出しで、日韓共同製作の恋愛ドラマ「フレンズ」が近く放映されることが報じられていましたが、このドラマも主役の男性が韓国人のウォンビンで、相手役の女性が日本人女優の深田恭子と言う組み合わせです。記事には、チマ・チョゴリ姿の日本人深田恭子の写真が大きく掲載されていました。

 これは単なる偶然ではありません。私が記憶する限り、日韓共同製作や合作の映画、演劇のキャストは、主役の男性が韓国人、その相手役の女性が日本人というものばかりでその逆はほとんどありません。現実の日韓関係で、国際結婚のカップルは日本人男性と韓国人女性が圧倒的に多く、合作映画やドラマは現実とは正反対です。これは一体なぜなのでしょうか。韓国人女性が日本人男性と恋に落ちるという日韓共同製作映画はなぜないのでしょうか。
 日韓双方に明確な意図や合意はないかもしれません。しかし、双方とも男女の役割が反対であっては、「日韓交流」も「日韓共同」も成り立たないと言う暗黙の了解があるものと考えられます。

 「交流」とか「共同制作」と言うものは、本来、「対等」な関係を前提にするものです。現に、「フレンズ」の制作でも、「日韓それぞれのスタッフが時間にして半分ずつ制作を担当、両国で同時期に流すという“対等のパートナーシップ”に徹底的にこだわった作品だ」と報じられています。韓国人も日韓両国の関係がそのようであると思い込んでいるか、あるいは思い込もうとしています。ところが現実には日韓両国における「交流」や「共同製作」は、その根本に於いて対等でないことが暗黙の前提になっています。

平成14年1月14日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ