D61
“同胞”に冷淡な韓国政府
 
 3月19日の産経新聞に、北朝鮮脱出者25人が韓国の到着したことに関して次のように報じられていました。
 「韓国の丁世鉉統一相は『海外に在留する脱北者は同胞愛と人道主義的次元から、希望する場合は原則的に全員受け入れる』と述べ、韓国政府の立場を明らかにした」

 韓国政府は朝鮮半島はひとつの国であり、韓国政府はその正当な政府であると主張しているわけですから、北に住んでいる朝鮮人は自国民と同じであり、彼らを受け入れるのは当然の義務であって、同胞愛とか人道主義の問題ではありません。「原則的に」ではなく「例外なく無条件に」受け入れなければ韓国政府の主張に合致しません。

 かつて、東西に分断されていた当時のドイツで、東ドイツ政府は自国の犯罪者などの厄介者を西ドイツに追放したことがありましたが、西ドイツ政府はドイツはひとつであり、西ドイツ政府は全ドイツの正統政府であると言う立場から、これらの厄介者たちを異議なく引き受けました。
 韓国政府が一つの国を主張するなら同じ立場をとるべきです。記事の最後には、「・・・脱北者が大量に流入した場合、韓国社会が耐え得るかどうかを不安視する声も少なくない」とありますが、韓国政府は彼らを歓迎していないようです。

 韓国政府は在日韓国人にも冷淡です。韓国政府が本当に同胞愛だとか人道主義を主張するなら、在日韓国人の祖国帰還を強力に支援すべきであると思いますが、彼らの帰国を促進するような支援策を何一つ講じていません。これは実に不思議なことです。その代わりに日本政府に対して在日韓国人の処遇について要求することには熱心です。
 韓国政府は日頃日本に対して、外国人に対して門戸を開き「国際化」するよう要求していますが、自国民の帰国すら歓迎しない韓国政府に、そんなことを言う資格があるのでしょうか。在日韓国人が口を開けば“永住権”“永住権”と言って、日本にしがみつこうとするのは、韓国政府が彼らの帰国の道を開いていないことが一因だと思います。

平成14年3月21日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ