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韓国人の歴史認識(その2)

 3月8日の産経新聞に「韓国人自身が歴史歪曲」と言う見出しの記事があり、韓国の若手評論家金完燮氏が、日本を一方的に悪者にしてきた過去史に関わる政府や歴史教科書、マスコミの公式的な歴史観を全面的に批判していることが紹介されていました。要旨は次の通りです。

 「日本統治時代はわれわれにとって祝福だった」、「日本は(西欧帝国主義と異なり)植民地を単純に搾取の対象としてではなく、投資や開発、教育を平行し文字通り共存共栄のの政策を行った」、「韓国人の反日感情は意図的な歴史歪曲によるものであり、歴史を歪曲しているのは日本ではなく韓国である」
 そして、日本支配を受け入れた韓国の選択は正しかったと断言しているそうです。

 日本の植民地支配が、収奪を目的としたものではなく、建設的で人道的な支配であったと言うことはその通りであると思いますが、だからと言って、「祝福だった」とか、「選択は正しかった」というのは韓国人の主張としては少しおかしいと思います。日韓併合は日本が韓国という国を奪ったことは明らかであり、国を奪われた韓国人が幸福であったと評価するのはやはりおかしいと思います。それは、仮に日本が敗戦後、平和で豊かな国になったとしても、敗戦は日本人にとって幸福な出来事だったというのが誤りであるのと同じです。

 日本人が韓国人の立場に立って、日本の歴史を論じることが誤りであるのと同じように、韓国人が日本人の立場になって、韓国の歴史を論じることも誤りだと思います。日韓の歴史について韓国人と日本人が、同じ認識を持つ必要はないのです。韓国人はそこのところが分かっていません。韓国人は中国人とも、ロシア人とも歴史認識を共有しようとはしていないのに、なぜ日本に対してのみ歴史認識の共有を求めるのでしょうか。日韓併合は終わったのです。韓国人が精神的に日本から自立することが両国民の利益になると思います。

平成14年3月21日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ