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韓国が言論を弾圧する理由

 6月5日の産経新聞は、「韓国親日派著者来日中止」、「歴史問題で告訴、検察が出国禁止」という見出しで、次のように報じていました。

 
「日本の韓国支配を肯定する評論集『親日派のための弁明』の著者である作家、金完燮氏(38)は4日、日本での翻訳出版を機に予定していた日本訪問が韓国当局によって禁止されたことについて、韓国内で歴史問題に関連し告訴されているため、検察当局が出国禁止にしたようだと語った。金氏によると、昨年7月、日本による韓国王妃殺害事件である『閔妃暗殺事件』(1895年)についてインターネットで事件を肯定する評論を発表したところ、閔妃の子孫たちから、『死者に対する名誉毀損』として、告訴された。このため今年2月警察で2日間身柄を拘束され、現在ソウル地検で処理を検討中という。金氏によると、検察当局はこの間、死者名誉毀損のほか、『外患罪』でも調べているという。『外患罪』は『外国と通じわが国に敵対する罪』で最高刑は死刑だが、出版物などによる『外患扇動』だと懲役2年以上となっている」

 金完燮氏の「親日派のための弁明」は、すでに韓国政府の刊行物倫理委員会によって、青少年有害刊行物に指定され、エロ本同様ビニールに包装されて販売が厳しく規制されていますが、さらに、死者に対する名誉毀損で著者の出国が禁止され、外患罪で検察の取り調べを受けることになってしまいました。純粋な歴史観の問題で刑事責任を問うとは、正気の沙汰とは思えません。韓国は異常な国です。

 かつてのソ連、現代の中国、北朝鮮などの国で出版に対する弾圧が行われましたが、彼らが弾圧するのは、自分たちの嘘がばれるのを恐れているからです。後世になって出版を弾圧した者たちの主張が正しかったことはほとんどありません。今回、韓国政府がこのような弾圧に及んだことは、金完燮氏の主張に理があり、自分たちの主張に自信がないからだと思います。

 ワールドカップが終わって日韓両国の関係が改善したという人がいますが、韓国には全く改善の跡が見られません。このような国を相手に、わが国は両国政府による歴史共同研究会の会議を始めましたが、人文科学である歴史の問題に対して、冷静で客観的な議論が出来ず、異論を唱える者に対して刑事罰を加えようとする人たちと、まともな議論は期待できないと思います。

平成14年7月7日     ご意見・ご感想は こちらへ     トップへ戻る     目次へ