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コリアンの自尊心はどこへ行った

 2月19日のAsahi comは北京の日本人学校に駆け込んだ朝鮮人脱北者について、次のように報じていました。

 
「北京の日本人学校に18日夕、北朝鮮からの脱出者とみられる4人が駆け込み、難民認定と日本への亡命を求めた。大使館や領事館の警備が厳しいため、学校を選んだという。支援団体は、日本の対応が批判を浴びた瀋陽での事件を例に出し、『瀋陽事件の反省の成果を示すべきだ』と政府に求めた」

 「(支援団体の)李代表は『日本政府は4人を安全に保護し、迅速に日本に移送して難民審査を受けられるようにすべきだ』と話した」

 一体、瀋陽事件の反省とは何だったのでしょうか。それは、治外法権である日本の領事館に中国官憲の立ち入りを許してしまったことだったと思います。脱北者を追い返したことではありません。日本をはじめとして中国にある諸外国の大使館などは、脱北朝鮮人に対して堅く門戸を閉ざしています。門戸を開放して彼らを受け入れようとする国はありません。門・塀を乗り越えて侵入した者だけはやむを得ず韓国に移送するというにすぎません。

 それにもかかわらず、「瀋陽の反省の成果を示すべきだ」と言って、日本政府に朝鮮人脱北者の受け入れを迫る、在日朝鮮人李英和らの主張は話をすり替えています。そういう彼らの主張に引きずられるかのように、日本の大使館員がわざわざ日本人学校まで脱北者を引き取りに出向いたのは、ばかげた行動というほかはありません。

 そもそも彼ら朝鮮人脱北者が「難民」に該当するかどうか非常に疑問です。難民とは自国で迫害を受けるなどして、自国で安全に暮らせない人を指すと思いますが、朝鮮人には北朝鮮のほかにもう一つの祖国韓国があります。コリアンは北の人間も南の人間も口を揃えてコリアは一つの国だと言っています。オリンピックやアジア大会などでは合同で入場行進をするなどして、一つの国であることを事あるごとに強調しています。北朝鮮の人間にとって韓国が祖国であることは、双方の国民にとって全く異論のないところだと思います。

 であるとすれば、今回の「亡命騒ぎ」に際しても韓国政府から当然引き取りの申し出があってしかるべきだと思いますが、韓国政府は沈黙したままです。日頃血は水よりも濃いと強調して、民族への熱い思いを語っている彼らにとって、同胞が「祖国」を差し置いて、よりによって日本への亡命を希望するなどと言うことがあっていいのでしょうか。彼らの「自尊心」はこれを見逃すのでしょうか。韓国人の流儀に従えば、ここは彼らに面会を強要し得意のワイロを握らせてでも、「韓国へ亡命したい」と言わせるべきではないのでしょうか。そうでないと韓国人が日頃言っていることと整合性がとれません。アジア大会での合同行進は単なるパフォーマンスだったのでしょうか。

平成15年2月20日  ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ