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ノムヒョン大統領は何しに日本に来たのか
5年に一度のカラ騒ぎ、繰り返された内容空虚な“友好パフォーマンス”

 日本を訪れている韓国のノムヒョン大統領が国会で演説しました。6月9日の朝日新聞は大統領の国会演説の要旨を次のように報じていました。

 
「廬大統領は『過去の歴史問題がいかに重要なのかよく知っているが、本日はこの問題を超越した話をしたい』として、『未来志向の関係』を改めて強調した」
 「両国民が歴史問題の影から完全に解き放たれて、自由に交流し助け合う時代が来ることを心から願う」
 「過去はあるがままに直視しなければならない。真実を語ることこそ真の勇気だ」


 大統領の言っていることは結構なことですが、言っているそばからそれに矛盾することを平気で言っているのは大統領自身です。国会演説のなかでは、
「日本は一時期帝国主義の道を取ったことで、韓国をはじめとするアジア諸国に大きな苦痛を与えたこともあった」とか、「不幸だった過去の歴史を思い起こす動きが日本から出るたび、韓国を含むアジア諸国の国民は敏感な反応を見せてきた。防衛安保法制と平和憲法改正の議論についても、疑惑と不安の目で見守っている」などと言っていますが、これでは今までと言っていることは少しも変わりません。この演説のどこが歴史を超越していて、未来志向なのでしょうか。

 過去を直視し、真実を語ることには全く異論はありません。わたしは韓国人の反発を招くことを恐れず、敢えて「創氏改名は満州で朝鮮人が日本名を欲しがったことから始まった」と講演会で発言し、その後の日韓両国での「妄言」批判にもひるまず、発言を撤回しなかった麻生太郎氏こそが真に勇気のある政治家だと思います。
 これに対して韓国人は、日本の政治家が「問題発言」をするたびに、条件反射のごとく「妄言!」を繰り返し、感情を爆発させるだけで何ら中身のある反論をしていません。「歴史を直視する勇気」に欠けているのは韓国人の方だと思います。

 大統領は、両国政府の共同声明のなかで、
「日韓交流の拡大 文化交流を活性化させるため、韓国は日本大衆文化開放を拡大する」とは言っていましたが、これは事実に即して言えば今後も制限を続けるという宣言に他なりません。これが両国民の交流拡大を本当に望んでいる人の言うことでしょうか。交流の拡大を本当に望んでいるのであれば、開放は、なぜ、即時、全面、無条件ではないのでしょうか。最近、韓国政府は制限を続ける理由も、緩和する理由も何も言わなくなりました。よほど人に言えない理由があるようです。

 ノムヒョン大統領は天皇陛下の歓迎晩餐会でも、小泉首相との会談後の共同声明でも、国会演説でも同じようなことばかり言っていました。「未来志向」と「歴史」と「交流」の三語の繰り返しで何の新味もありません。同じ事を壊れた蓄音機のごとく、飽きもせずに繰り返す神経にはほとほと呆れます。
 過去に日本を訪れた韓国の大統領も皆同じようなことを言っていましたが、その結果、韓国の「日本大衆文化制限」がなくなった訳でもなければ、「韓国人の歴史への執着」がなくなった訳でも、「日本の右傾化への憂慮」がなくなった訳でもありません。姿形は変わっても彼らが言っていることは結局今までと変わりません。

 韓国人はなぜこのような内容が空虚な大言壮語が好きなのでしょうか。5年ごとに繰り返される大言壮語のオンパレードにつきあわされるのは本当にうんざりします。韓国の大統領が日本に来るたびに国賓待遇で迎える必要はないと思います。意味のない声明・演説・挨拶を省略した公式実務訪問で十分です。

平成15年6月10日  ご意見ご感想は こちらへ   トップへ戻る    目次へ