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韓国人の自尊心                (「現代コリア」98年5月号掲載)

 田中明先生が4月号で韓国人の自尊心について書かれているのを読みました。韓国人の自尊心と日本人の自尊心はかなり違っていると思います。“従軍慰安婦”の問題で当時の河野官房長官が「・・・総じて本人の意志に反して・・・」と強制性を暗に認めた談話を発表したのは、「強制であったことにしないと韓国人の自尊心が保てない」と韓国政府から強硬に主張されたからであると聞いたことがあります。「自分の自尊心が保てないから(ウソでもいいから?)強制であったことを認めろ」などという言い方をする方が、自尊心が許さないと言うのが日本人の感覚でしょう。日本人は「自尊心が傷つけられた」などとは滅多に言いません。自分の心が傷ついたなどというのは心の弱さを告白しているようなもので、そんなことを言う方がよけいに自尊心が傷つきます。韓国人の自尊心はそんなに深刻なものではないようです。韓国語の「自尊心」は日本語で言えば「面子」に当たると思います。

 仁川大学総長の話でも分かるように、彼らは非常に傷つきやすい心の持ち主です。と言うよりも非常に劣等感、被害者意識の強い民族だと思います。そしてその劣等感の裏返しとして表にでてくるのが誇大妄想です。韓国人は自分たちは人並み以上にプライドの高い民族だと思い込もうとしている節があります。一例として韓国では日本の大衆文化は低俗であるという理由で、映画やレコードの上演は実質的に禁止されています。これは誇大妄想の現れです。しかしこれは表向きの話しで、実際には、密輸入や海賊版のテープやレコードが大量に出回っています。

 韓国人が日本の文化を禁止しているのは、解禁したら日本文化に圧倒されてしまうと言うおそれからだと思います。自分たちを植民地として支配してきた者の映画、音楽が大流行したら、彼らは自尊心を保てないと思っているのです。それであれば海賊版をもっと厳しく取り締まっても良さそうですが、実際には野放しです。建前で禁止しておけば実際には大流行していても、それで彼らの自尊心は保てるのです。彼らの自尊心はそういう意味でかなり安っぽいもの言えます。日本人であれば建前だけ禁止しておいて、実際には海賊版が大流行している事を指摘される方が恥ずべき事と感じる(自尊心が傷つく?)と思います。

 日本文化を完全に解禁すれば自分たちの方が文化的に上位にあるとか、韓国人は日本人が大嫌いであるとか為政者が言ってきたことが虚構であることがばれてしまいます。そう簡単には日本文化の解禁などできないと思います。
 それにしても、韓国の大統領が日本に来る度に文化交流の必要性を訴えるくらい奇妙なことはありません。韓国は日本文化を規制している唯一の国なのですから。

平成10年5月13日     ご意見・ご感想は   こちらへ      トップへ戻る      D目次へ