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自民党の政治資金調達過程と、実際に集金した派閥(議員)への還流(キックバック)と、資金使用の使途については違法性の指摘はなく、有るのは報告書への不記載と虚偽記載だけであり、それは“軽犯罪”に止まる。

 1月7日のNHKテレビニュースは、「自民 池田佳隆議員を逮捕 政治資金規正法違反の疑い 東京地検」と言うタイトルで,次の様に報じていました。
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自民 池田佳隆議員を逮捕 政治資金規正法違反の疑い 東京地検
2024年1月7日 14時50分  NHK

 自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、東京地検特捜部は安倍派に所属する池田佳隆衆議院議員が政策秘書と共謀し、政治資金収支報告書にうその記載をしていたとして、池田議員と政策秘書の2人を
政治資金規正法違反の疑いで逮捕しました。
池田議員側は安倍派の議員の中でも高額のおよそ4800万円のキックバックを受けていて、一連の問題は、
安倍派国会議員が逮捕される事態になりました。

 逮捕されたのは、自民党の
安倍派「清和政策研究会」に所属する衆議院議員の池田佳隆容疑者(57)と政策秘書の柿沼和宏容疑者(45)です。

 
東京地検特捜部によりますと、池田議員は会計責任者だった柿沼秘書と共謀し、おととしまでの5年間安倍派からおよそ4800万円のキックバックを受けたにもかかわらず、みずからが代表を務める資金管理団体「池田黎明会」の収入として記載せず、政治資金収支報告書にうその記載をしたとして政治資金規正法違反の疑いが持たれています。

 安倍派では、所属議員がパーティー券の販売
ノルマを超えて集めた分の収入を議員側にキックバックし、その分を派閥側や議員側の収支報告書に記載しない運用が組織的に行われた疑いがあり、特捜部は先月27日、所属議員の中でも高額のおよそ4800万円のキックバックを受けていた池田議員の事務所などを捜索し、捜査を進めていました。

池田議員は比例代表・東海ブロック選出で当選4回。おととし8月まで10か月間、文部科学副大臣を務めました。

安倍派で裏金化した資金の総額は、議員側が派閥側に
納入していないパーティー収入も合わせて6億円規模に膨らむ疑いがあり、一連の問題は安倍派の国会議員が逮捕される事態になりました。

特捜部は池田議員を本格的に取り調べ収支報告書が作成された経緯など実態解明を進めるものとみられます。

(以下略)
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 報道は還流(キックバック)の目的、手段を具体的に報じていませんが、民主主義国家に於いては、政党・政治家と国民の政治活動自由の観点から、
国民が自由に献金し、政党・政治家が自由に政治資金を調達できるのは尊重されるべきで、規制最小限かつ例外的であるべきです。

 日本では
公職選挙法で自由な選挙活動、ひいては自由な政治活動がんじがらめに規制していることが、立候補の自由民意の反映障害となり、その副作用として世襲議員の大繁殖を引き起こしていることを忘れてはなりません。
 政治資金規正法も
やり過ぎればその二の舞(民主主義の障害)になりかねません。
 (反対に野党(共産党や創価学会など)の集金活動には何の問題も無いのでしょうか?)

 今回の一連の
検察の捜査・捜索は何を問題にしているのでしょうか。
 政治資金に関して
問題(犯罪)があるとすれば、まず、資金調達の方法が考えられます。@資金調達の過程で,詐欺・脅迫・贈収賄などの犯罪的な行為があったか否かです。次はAその集金した資金の一部集金の主体者である党が、集金実行者の派閥・議員に還流(キックバック)したことが不正に当たるか、更にBその資金を本来の趣旨・目的の範囲以外の用途(買収・着服など)に使って(流用して)いないかです。

 今まで報じられてきた検察の動きを見ると、彼らの目標は@ABのいずれでもないようです。
 彼らの
狙いは専ら帳簿の記載漏れ不実の記載に絞られているようです。記載漏れ・不実の記載は許される事ではありませんが、それが@ABに結びつかない限りは“軽犯罪”に止まるのではないでしょうか。

 政党に献金された資金の
一部を党に属する、資金集めに尽力した派閥、議員“下賜”したとしても、それが政治活動に使われている限りは本来の目的に反したとは言えないし、“流用”というのも無理だと思います。その限りでは記載漏れ・不実記載は“軽犯罪”に止まります。
 そもそも、
流用か目的外か否かを判断するに当たっては、その政党(および資金提供者)自身の判断を尊重すべきです。司法が独断で判断することではありません。安易に“キックバック”を連呼して“横領”、“犯罪視”をアピールしているNHK悪質極まります。

 以上の観点から見ると、この問題が発生して以来の長期にわたる、各地の
大規模な家宅捜索に見られる検察の活躍(ハッスル)ぶりは、何か他意があるのではないかと言う疑念を禁じ得ません。捜査は安倍派に的を絞っているようにも見受けられ、それに対する岸田総理の反応などと併せて疑問を禁じ得ません。

 そうした中で下記の記事を見つけました。
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月刊テーミスWEBサイト (e-themis.net)

【社 会】 東京地検特捜部‐「安倍派を葬れ」の執念凄まじ
「リクルート以来の大疑獄事件」と位置付ける自民党派閥の裏金疑惑だが、その陰には法務・検察当局の
「安倍憎し」の執念があるという。黒川弘務氏の検事総長人事だけでなく、最高裁長官人事にまで手を突っ込もうとしていた元首相への怒りが捜査に拍車を掛ける。
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 安倍総理はかつて検察庁(検事総長?)の人事に絡んで、検事の定年延長に特例的な取り扱いをしたことが有りました。
 詳細は記憶していませんが、この記事は
注目すべき指摘だと思います。

令和6年1月7日   ご意見・ご感想は こちらへ   トップへ戻る   目次へ