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週刊新潮の「少年法への挑戦」

 10月21日の産経新聞は、「元少年の写真など『週刊新潮』が掲載 連続リンチ事件」と言う見出しで、次のように報じていました。
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 大阪、愛知、岐阜の3府県で平成6年4人が殺された連続リンチ殺人事件の控訴審で今月14日に死刑判決を受けた当時少年の3被告(当時18〜19歳)について、20日発売の週刊新潮(新潮社)が3人の実名と2人の顔写真を掲載した。
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 少年法が犯罪少年の写真・実名報道を禁じるのは、報道が少年の更生を妨げるというのが理由だと思います。今回の場合は、死刑判決なので、裁判所自身が更生は不要あるいは不可能と判断した訳ですから、もはや写真・実名報道を控える理由はないと言っていいと思います。

 週刊新潮の「少年法への挑戦」は過去にも繰り返されていますが、そのたびに、抗議行動を起こされたり、損害賠償訴訟を起こされたりしてきました。今回のこのあからさまな挑戦に対して、日頃、「週刊新潮叩き」に熱心な朝日新聞、日弁連、少年達の弁護団から抗議や批判の声が聞こえてきません。どうしたのでしょうか。今後は死刑判決に限っては、写真・実名報道を容認するのでしょうか。

 写真・実名報道が少年の更生を妨げる可能性は否定できませんが、少年は誰もが更生する訳ではありません。更生できない人もいます。更生できない人がいればその犯罪の犠牲となる人が出てきます。写真・実名報道がされていれば防げた犠牲もあるかもしれません。写真・実名報道には社会的制裁の効果が期待できます。一律に犯罪少年の写真・実名報道を禁じるべきではないと思います。


平成17年10月23日   ご意見・ご感想は   こちらへ    トップへ戻る   目次へ