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神戸の少年事件、誠意のない加害少年の両親

 神戸の少年事件で、被害者の両親が損害賠償と真相の究明を求めていた民事裁判で、裁判所は被告に1億円の損害賠償を命じました。裁判では、被告側は事実関係と請求内容については争わず、和解を求めていました。和解の条件は分割払いと、謝罪の機会を与えてほしいというものでしたが、和解は成立せず今回の判決となりました。被告側が提案していた和解案の分割払いは、一時金100万円、毎月2万円、ボーナス月に18万円と言う低額です。これだと全部支払いを終えるのに、165年かかる計算になります(金利を考えれば200年以上でしょうか)。金額について争わなかったと言っても、これでは全額を払うつもりはないと言っているのと同じです。本当に誠意があるなら、全財産を処分して借金をしてでも、1000万円、2000万円位の一時金は払うべきです。

事実関係と金額について争わなかったのは、誠意からではなく、裁判で争いになって自分たちの家庭環境や少年の生い立ちなど、事件の真相が法廷で明らかになることを恐れただけではないのでしょうか。和解を求めた理由は、判決と違い和解の場合は内容は公表されないと考えたからではないでしょうか。

 被害者の両親が求めていたのは、金銭よりも、少年審判のベールに包まれている事件の真相を知ることであったと思います。もし、加害少年の両親に、すべてを認めて謝罪したいという気持ちがあれば、被害者の両親が求めていた、法廷での真相究明にも積極的に応じるべきです。それをしないで謝罪の機会を設けてほしいなどと言うのは、自分の都合だけを考えた厚かましい提案です。断られて当然だと思います。

平成11年3月14日   ご意見・ご感想は   こちらへ     トップへ戻る      目次へ